とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

審議拒否は難しい

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


国民の支持

 


引き分けにも2つの種類がある。

 


第1は、2人の選手が正面から戦ったが実力が伯仲しているために、短時間に勝負がつけられず、引き分けになる場合である。

 


第2は、一方の選手が逃げ回って戦いにならず、引き分けになってしまう場合である。

 


後者のような、いってみれば、情けない引き分けが成り立つためには、「逃げ回る」のも作戦のうちということが関係者に認められていなければならない。

 


「逃げ回る」のは試合放棄であり、負けであると

判定されれば、引き分けにはならない。

 


野党による審議拒否などの引き延ばし作戦を 「逃げ回る」行為と決めつけるのは酷かもしれない。

 


しかし、どうして引き分けになったかといえば、やはり、議論が白熱したためというよりも、一方が議論に使うべき時間をさまざまな駆け引きに使ってしまったためであるというほかはない。

 


そして、こんな形の引き分けが認められるのは、野党による審議拒否などが作戦の1つとして認められてきたためである。

 


それでは審議拒否などの引き延ばしを認めるルールのようなものがあるのだろうか。

 


ルールを文章の形で示された法的な拘束力のあるもの、公式のルールと狭く理解するならば、審議や表決あるいは採決を引き延ばすことを認めるルールはない。

 


むしろ、衆議院の規則は、牛歩戦術などを防ぐために表決の時間を制限する権限を議長に与えている。

 


このルールによれば、時間内に投票しなかった者は棄権したとみなされるのである。

 


現実にこの規定が実施されたことはない。 いずれにしても、野党による審議拒否などを作戦として認める公式ルールはない。

 


実は、政府側には野党による引き延ばし作戦を打ち崩す奥の手がある。 強行採決である。 野党がどのように抵抗しようが、一方的に採決に持ち込むという「与党の最後の切り札」 である。

 


採決さえ行われれば、野党がなんといおうが多数決で政府案は成立してしまうわけである。

 


要するに、ダラダラした試合にいつまでも付き合わずにさっさとことを決めてしまうのである。

 


しかし、与党政府が強行採決に打って出ることはめったにない。

 


これをやると国会が全面的にストップしてしまい、そのとばっちりを受けて他の法案も犠牲にされてしまうからであるが、それだけではない。

 


世論から厳しく批判されることが予想されるからである。

 


最終的に多数決で決めざるをえないにしても、急ぎすぎるといかにも乱暴で強引に見える。 新聞は多数派の横暴と書き立て、識者は日本で民主主義がまだまだ未成熟だと非難する。

 


そして一般国民の多くもこうした意見に賛同する。 こうした事態を招かないために、できれば与党政府側も強行採決を避けたいと思うのである。

 


感想

 


審議拒否を認めるのは難しいとしても、何か抵抗する方法はないのかと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『はじめて出会う政治学

 構造改革の向こうに

 北山 俊哉 他2名

 有斐閣アルマ

 

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