とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

議論の時間

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


時間の制約

 


国会が影響力を発揮してきたというときに、注意してほしいのは、内閣提出法案が国会において否決されたわけではないということである。

 


中曾根内閣の時代の売上税がそうであったように、内閣提出法案で成立しなかったのはすべて、国会にかけられはしたが、結局、十分な審議がなされなかったという理由で、成立が見送られたものである。

 


野党側がさまざまな引き延ばし作戦を試みて、ねばりにねばる。そうして勝負を引き分けに持ち込めば、法案は成立しない。

 


国会の力は、野党側がねばって勝負を引き分けに持ち込むときに示されるのである。

 


勝負が引き分けになりやすいのは、どのような場合であろうか。

 


もしボクシングの試合が、勝敗はノックアウトでしか決まらない、どちらが優勢かという判定では決めないというルールであれば、引き分けになる可能性は高い。

 


試合時間のうちにどちらかが倒されない限り、引き分けになるからである。そのうえ、予定される試合時間が短ければ、ノックアウトは難しくなり、さらに引き分けになる可能性は高くなる。

 


戦いは1つのまとまりのある時間の中で行われる。試合終了のゴングが鳴った後で、パンチを繰り出して、相手を倒しても、意味はない。

 


スポーツなどの競技では、「試合」あるいは「ゲーム」が勝敗を決める単位となるが、国会では「会期」 がそれにあたる。

 


試合時間に相当するのは会期日数である。 試合時間が短ければ短いほど引き分けになりやすいのと同様に、会期日数が短ければ短いほど、内閣提出法案は成立しにくくなる。

 


日本の国会が力を発揮できる大きな原因は、試合時間つまり会期が他の国にくらべてかなり短いことにある。

 


イギリスでは会期は1 年、アメリカでは2年ということになっている。これにくらべて、日本の国会には、通常国会の他に臨時国会や特別国会があり、それぞれが独立したものとなるため、1つ1つの会期は非常に短いものになってしまっている。

 


アメリカでは1ゲームが2年であるが、日本では1ゲームは150日程度 アメリカの4分の1にすぎないのである。

 


そうなれば、どうしても引き分けが多くなってしまう。

 


さらに衆議院でのゲームが終わっても、次に参議院において同じようなゲームをしなければならない。

 


衆議院で勝負がついても、参議院で引き分けになってしまう可能性があるのである。

 


しかも参議院で野党が多数を握っていたら、負けという勝敗がついてしまう。

 


感想

 


国会だけではなく、議論には時間の制約は常につきまとうと思います。

 


また、どれくらい議論すればいい結論が出るのかは難しい問題だと思いました。

 

 

 

下記の本を参考にしました

 


『はじめて出会う政治学

 構造改革の向こうに

 北山 俊哉 他2名

 有斐閣アルマ

 

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