こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
禁欲する仕事の成功
マルクスがとらえた労働は、基本的に人間を疎外するという前提に立っていますが、計算された予測可能性にもとづく労働はどうして生まれてきたのでしょう。
ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』という本の中で、近代資本主義がなぜ西ヨーロッパ社会にだけ成立したのかを宗教的観点から解き明かしました。
結論を先取りすれば、キリスト教のプロテスタンティズムがもつ「世俗内禁欲」という態度が、結果として資本主義によく適合する職業倫理を用意したというものです。
もう少し詳しく言うと、予定説というプロテスタントの教義があり、あらかじめ神に救われる人間と救われない人間が決まっていて、神に従った人間のみが救われるのです。
その証しが、「世俗内禁欲」という態度で、天職である仕事にエネルギーを集中して儲けることは考えてはいけないという教えです。
今の会社と同じように月曜日から土曜日までは神の教えによって働き、日曜日は安息日として神に感謝する生活す。これはきわめて合理的・計画的な生活で、現在の資本主義の労働に適合的です。
さらに、お金が入ってもその場で使ってしまっては、資本である元手が残りません。
つまりお金を貯めてそれを元手にして初めて拡大再生産と規模拡大が可能になるのが資本主義のしくみなのです。
プロテスタントは散財を戒め、蓄財することを勧めていましたので、この資本主義の考え方にとても近いといえます。
感想
マックス・ウェーバーは、禁欲が資本主義の労働に適合するという、現代からすると少し違和感を感じる結果になるいいます。
一般的な見方でないので、おもしろいと思いました。
下記の本を参考にしました
『体感する 社会学』
金菱 清著