とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

教養新書の動向

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 教養新書の動向

 


新書全体の刊行点数は10年間の間に1000点台を推移しているが、そのなかで教養新書に分類できる新書の比率は急速に増加している。

 


点数にしても、98年に500点台だった教養新書の刊行点数は08年には1600点台へと3倍以上になっている。

 


その教養新書に関してこの十数年来顕著になってきた傾向は、文字どおりの教養を身につけることをめざすタイプの新書から、「耐用年数」が比較的長く、また深みのある 「教養」というよりは、むしろ即効性のある実用的な知識や情報の獲得をめざした新書への移行という現象である。

 


そもそも教養新書の先鞭をつけたのは、岩波書店が1938(昭和13)年に創刊した岩波新書である。

 


「現代人の現代的教養を目的として」 (岩波新書刊行の辞より) 創刊された同新書、1962(昭和37)年創刊の中公新書および1964(昭和39)年創刊の講談社現代新書とをあわせて「新書御三家」ということがある。

 


これらの新書の基本的なコンセプトは、学術的な成果をコンパクトにわかりやすく伝えるというものであった。

 


もっとも、「わかりやすく」とはいっても、短大生、 大学生を主なターゲットとして想定し、また大学教員などの研究者が主な著者になっていたこともあって、比較的高度な内容を含むものも多かった。

 


この教養新書のイメージが大きく変わってきたのが、1990年代の新書創刊ブームの頃からである。

 


91年の丸善ライブラリーの創刊を皮切りにして新書の創刊が相次ぎ、主なものだけでも、ちくま新書(1994年), 文春新書 (1998年) 平凡社新書 (1999年)、集英社新書 (1999年)、光文社新書 (2001年)、新潮新書 (2003年) などがある。

 


最近では、2006年3月にソフトバンク新書が創刊され、同年10月には朝日新書 (朝日新聞社)が刊行開始したほか、2007年1月には幻冬舎も新書を創刊した。

 


この新設の新書シリーズに関しては、内容面でも学術的なものというよりは、実用書や 「雑学」 書的な性格をもつもの、あるいは時事的なトピックを扱ったものが中心になっており、新書の「雑誌化」 が1つの特徴ともなっている。

 


実際、ある問題 、2001年のアメリ同時多発テロ、社会格差の拡大―がマスメディアで話題になると、ほとんど間髪を入れずして、そのトピックを扱った新書が刊行されるようになっている。

 


また、その著者に関しても、かつては大学教員などの研究者が多くを占めていたのが、作家や評論家あるいはジャーナリスト、ビジネス関係者などきわめて広い層にわたっている。

 


また、編集方針に関しても、活字を大きく組んで字数を少なくしたり、書き下ろしならぬ「語り下ろし」ないし聞き書きを採用したりして読みやすさを重視している点も大きな特徴である。

 


感想

 


新書は好きですが、その動向は知らなかったので、勉強になりました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

flier(フライヤー)