とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

新刊洪水

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 新刊洪水

 


深刻な出版不況の重要な1つの原因でもあり、またその結果でもあるのが、「新刊洪水」とも呼ばれる、書籍の新刊の増加傾向である。

 


新刊書籍の刊行点数を1960年から2009年まで示したものである。

 


全体の販売額が1996年のピークから2009年までの間に約30%以上も落ち込んでいるのに対して、書籍の新刊点数はむしろ逆に約6万3000点から7万8500点へと24%以上も増えていることがわかる。

 


この7万8500点という数字は、休日等を除けば単純に計算しただけでも、1日に300点以上の新刊が生み出されているということを意味する。

 


そして、先にあげた書店の店頭における見かけ上のにぎわいは、とりもなおさず、この新刊洪水によってもたらされた部分が大きい。

 


そしてまた、販売額が減少するなかで販売点数が増加しているということは、1点あたりの売り上げが急激に落ち込んでいることをも示唆する。

 


事実、この新刊の急増の背景にあるのは、1点1点の書籍の「商品寿命」の短期化なのである。

 


実際、書店の陳列台をにぎわせている新刊のなかには、ほんの数週間ないし数日のうちに返品されてしまう例も少なくない。

 


以前は、古今の名作を「不朽の名著」ないし社会における共通の財産として保存し、また広い読者にとってのアクセスを可能にするという使命を帯びていた文庫の場合ですら、品切れないし絶版となって入手困難となっている例も多い。

 


つまり、かつては耐久性のある文化財だと思われていた書籍は、今や消耗品ないし「生鮮食料品」的な性格を帯びてきているのである。

 


それは、とりもなおさず、学術書や高度な文芸書などを中心とする「硬派出版」の経営モデルが成立しにくくなってきたことを意味する。

 


その伝統的な経営モデルとは、長期にわたって較的コンスタントに売れていく、いわば 「定番」的な既刊書で経営を安定させ、新刊書で意欲的な出版企画をしたり、新たな分野に進出し、そのうちの何点かが定番的な既刊書になっていくというものであった。

 


実際、今や多くの出版社では、既刊書と新刊書の売上比率が逆転して、 新刊書の売り上げのほうがむしろ多くなってきている。

 


そして、出版社の編集者や経営者のみならず、取次業者 (出版物の卸売り業者) や書店関係者もまた、続々と生み出される膨大な量の新刊企画やその編集、あるいは流通業務に忙殺されている。

 


感想

 


売れないのに、沢山の本が出版されている理由が分かりました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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