こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
「出版不況」の概要
若年層の読書傾向ないし書籍購買傾向がひと役買っているとされるのが、過去15年来にわたる、深
刻な出版不況である。
出版業に関しては、よく 「不況に強い出版」 「不景気のときほど本はよく売れる」 ということがいわれてきた。
一般的な景気の変動にかかわらず戦後から90年代半ばまではほぼ一貫して、 実売額に関して出版業界全体としては 「右肩上がり」の成長を遂げてきた。
この右肩上がりの成長にともなって、1989年には雑誌と書籍をあわせた合計の推定販売額が2兆円を突破し、「2兆円産業」と呼ばれるまでの成長を遂げた。
このような一貫した売上高の増加は、まさに不況に強い出版という通念を裏づけるものであるように思えるかもしれない。
しかし、この出版業についての通念は、1997年に戦後初めて前年の売上実績を割り、さらにその後2003年まで7年間連続して下降傾向が続くなかで、一種の神話にしかすぎなかったことが、ようやく明らかになっていった。
この下降傾向は2004年になって販売額が0.7% 増えることによってやや持ち直したが、 翌2005年以降は毎年下降しつづけ、出版不況の構造的な深刻さを浮き彫りにしている。
この出版不況は、 全体的な売り上げの減少というだけでなく、出版関連の企業の倒産という事態としても表れている。
出版社の倒産自体はそれほど珍しいことではないが、1990年代後半以降になって目立ってきたのは、老舗といわれた出版社などの倒産や合併吸収の出来事なのである。
新規開店が増える一方で、書店の閉店も相次いでいる。とくに中小書店の撤退は激しく、1997年以降はほぼ年間 1000店前後の書店の転廃業が続き、2003年にはそれが1600店にも及んでいる。
こうして、かつては日本全国で2万5000店以上あった書店は、2012年現在では、1万5000店程度になっている。
このような動向の結果として、かつて日本における書籍や雑誌の流通を支えていた最寄り店は年々減少していき、都市部では大型書店に、地方では郊外型の書店に集約されつつあるのが現状である。
感想
読書が趣味の僕にとって、近所の本屋が潰れていくのは残念です。
本を買うのに不便かといえば、ネットで買えるので、それほど困らないですけど。
下記の本を参考にしました
『Do! ソシオロジー』改訂版
友枝 敏雄 他1名
有斐閣アルマ