こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
時代を反映した関係性
逆説的ながら、純度100%の自分を支えるためには、周囲の人間からのたえざるサポートが必要不可欠である。
そこで自己承認をたえず与えてもらうことによってしか、安定した自己肯定感を保持できない。
だから、人間関係のマネージメントに神経をすり減らし、その関係に少しでも傷がつくと、すぐに大変なパニックに陥ってしまいやすいのである。
相手の事情を詮索して踏み込んだりしない、あるいは自分の断定を一方的に相手に押しつけたりしない、そういった距離感を保つ 「相手に優しい関係」 は、ひるがえってみれば、自分の立場を傷つけかねない危険性を少しでも回避し、自分の責任をできるだけ問われないようにする「自己に優しい関係」でもある。
C.ラッシュ が指摘するように、「自分が全能だという幻想にとらわれているくせに、その実、ナルシストは、自分の自尊心を確認するのにも他に頼らなければならない。ナルシシストは喝采を送ってくれる相手がなくては生きていけない」のである。
このように、今日の非行少年たちは、そして同様に一般の若者たちも、傷つきやすく脆弱な自己の基盤を守り、その肯定感を少しでも増すために、巧みに 「優しい関係」をマネージメントしていくことによって、他者との対立を避けようとつねに躍起になっている。
一般の大人たちの目に、近年の若者の人間関係が、コミュニケーション能力の不足から希薄化しているように映ってしまうのはそのためだろう。
しかし、じつは現実の姿はその逆である。
かつてよりも葛藤の種が潜在的に多く含まれるようになった人間関係をスムーズに維持運営していくために、むしろ高度なコミュニケーション能力を駆使することによって、微妙な距離感をそこにつくりだすようになっている。
あえていえば、今日の若者たちは、互いに傷つく危険を回避しようと、人間関係を意図的に希薄な状態に保っているのである。
感想
互いに傷つく危険を回避しようと、人間関係を意図的に希薄な状態に保っているのであるという。
たしかにそういう側面はあるのかもしれないと思いました。
下記の本を参考にしました
『Do! ソシオロジー』改訂版
友枝 敏雄 他1名
有斐閣アルマ