とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

稚拙化する凶悪犯罪

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


稚拙化する凶悪犯罪

 


とりあえずここで注意すべきなのは、強盗犯の統計数字が示しているのは、あくまでも警察が強盗犯として検挙した人員数だという点である。

 


そこに計上される行動の具体的な中身については、統計の数字からはわからない。

 


強盗犯の検挙人員が増加したからといって、たと

えばそれ以前と同じ内実の犯罪が近年も増えたと即断することはできない。

 


では、統計数字に表れた強盗犯の増加は、「少年犯罪の凶悪化」として想定されるような現実の変化を反映していたのだろうか。

 


平たくいえば、統計カテゴリーとしての 「少年の強盗犯」の摘発数の増加は、実態としての「少年犯罪の凶悪化」を意味していた。

 


一般に、私たちは、強盗事件と聞くと、あたかも映画やTVドラマで見るような凶悪な事件を想像しがちである。

 


深夜、覆面をして、図器を手にもち、他人の家に押し入る、そんな光景をイメージしがちである。

 


しかし、現実の事件のほとんどは、計画性のない衝動的で短絡的なものである。

 


オヤジ狩りのような路上強盗がその典型であり、いわば引ったくりの延長にあるような稚拙な振る舞いがその現実の姿である。

 


もし1990年代半ばに、凶悪な加害少年が現実に増えていたのなら、刑事処分が妥当として検察へ逆送される件数も増えていたはずである。

 


どう見ても凶悪な少年なのに少年院送致や保護観

察などで済まそうなどとは、ふつうは考えないはずだからである。

 


しかし現実には、強盗事件を起こして検察官送致される少年の率はけっして増えていなかった。

 


少年法のもとでは、行為の結果そのものよりも、少年のパーソナリティが処遇の方針決定の中心にすえられてきた。

 


したがって、警察段階で凶悪犯罪として検挙される件数は増えていたのに、その後の司法過程における詳細な調査の結果、それらの多くが刑事処分を免れていたという事実は、外見上は凶悪犯罪に類型化される行為であったとしても、それが行為者の凶悪化を必ずしも意味するものではなかったことを物語っている。

 


感想

 


少年犯罪が本当に稚拙化しているのだろうかという疑問が残りました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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