とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

遺産相続とプレゼント

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学法哲学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


遺産相続とバースデイ・プレゼント

 


親の遺産で暮らす人間はたいてい、怠惰で無責任で、自分で稼いだわけでもない金で贅沢三昧をする馬鹿息子・馬鹿娘として描かれる。

 


実は、ヒーローとしての彼らの役割をすこしも損ねるものではない。

 


相続というのは、ようするに、親から子どもへのプレゼントである。

 


待ちに待った子どもの誕生とか、毎年の誕生日とか、結婚式とか、結婚記念日とか、クリスマスとかに親は子どもにプレゼントを贈るが、こうした自発的な資産の譲渡が親の死んだ日に行われると、それが遺産相続になる。

 


これらはすべて同じものだから、遺産相続に反対する人は、それ以外の形式のプレゼントにもすべて反対しなければならない。

 


もっとも、そんなことをしようと思う人はごく少数だろう。

 

 

 

反遺産相続派の人たちの頭のなかには、「悪党が不正に手にした財産を子どもに譲る」というイメージが頑固に張りついている。

 


彼らは「支配階級」の構成員で、まっとうな商売ではなく、公共事業や補助金、さまざまな許認可などを悪用して大金をせしめ、その財産を次世代に残そうとしている。

 


もしほんとうなら、こんなことを許してはならない。 相続の禁止が最良の解決策のようにも思えてくる。

 


ちょっと待ってほしい。よくよく考えてみれば、すべてのプレゼントを禁止しないかぎり、相続を禁止することもできないという事実に気がつくはずだ。

 


相続税を100パーセントにすべきだ」などとよく言われるが、これはほとんど役に立たない。

 


そのほかのプレゼントが認められているのなら、相続税は苦もなく回避されてしまうだろう。

 


誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントの名目でせっせと資産を譲渡したり、財産を信託して、自分が死んだあとの最初の誕生日に子どもに“バースデイ・プレゼント"を贈ることだってできるだろう。

 


不正に獲得された支配階級の富が問題であるならば、その次世代への譲渡を阻止するのではな

く、そのような財産を保持できないようにすることのほうがずっと重要だ。

 


相続税の税率を議論する前に、不正な財産を取り上げ、被害者に返還するよう努力すべきだろう。

 


感想

 


遺産相続とクリスマスプレゼントを一緒に考えるべきだと筆者はいいますが、極端過ぎると思いました。

 


下記の本を参考にしました 

 


『不道徳教育』

 ブロック.W 他1名

 講談社

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