とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

プライベートな悩みを社会問題化する方法

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


プライベートな悩みと社会

 


これまで、誰かに伝えることがむずかしく、なかなか理解されなかったけれど、最近にわかに注目を集め、話題にされはじめたタイプの「被害」がある。

 


ここからは、ドメスティック・バイオレンスやストーカーという新しい社会問題を、考えてみたい。

 


これらの「被害」「悩み」の特徴は、①恋愛や性など、個人的な問題として起こり、社会全体の人々の利益や、大企業・国家などの大きな権力をもつ相手に責任を問うようなタイプのできごとではないこと、②ジェンダー化された対立の構図となること(つまり、男性が加害者、女性が被害者というように、被害加害の立場が性別に偏って起きる傾向があること)、③悩んでいる本人、自分をすんなりと「被害者」「加害者」として考えることがむずかしいこと、などという点で共通している。

 


ドメスティック・バイオレンス (Domestic Violence: DV)」とは、夫婦や恋人、好意を寄せた相手など、親密な関係にある人(あった人)からさまざまな方法で自由を奪われ、人間としての尊厳を否定され、支配されることをいう。

 


この言葉は大人から子どもに対する虐待や、息子や娘が親に対して暴れる家庭内暴力と同義語ではなく、とくに夫婦や恋人などの間で起こるできごとを表現するために使われている。

 


たとえば、親密な関係にある相手(夫婦や恋人など)から身体的暴力をふるわれること、いつも命令口調で、いう通りにしないと不機嫌になり怒鳴られること、物を壊して黙らせる、望まない性行為を強要する、携帯電話などで絶え間なく行動をチェックし束縛したがる、等々の行為によって一方の権利・尊厳が踏みにじられているような状態を表現している。

 


それは、身体的暴力に加え、言葉による侮辱や経済的な搾取、束縛、つきまとい、性的行為の強制などが絡まり合って起きる支配・従属関係のことだといえる。

 


この問題を考えるときに重要なのは、こうした行為・関係は昔からあったかもしれないが、これ

「問題」としてとらえる視点がなく、そのため、表現するのにぴったりな言葉もなかった、とい

うことだ。

 


少し気をつけて見てみれば、「別れ話に腹を立て、包丁で刺す」というような事件はしばしば報道されているし、女性が離婚の申し立てをする動機の2位は「暴力をふるう」、4位は、「精神的に虐待する」だという(最高裁判所『司法統計年報平成16年度版』。1位は「性格が合わない」、3位は「異性関係」。

 


しかし世間の多くの人は、それを社会の皆で考

えるべき社会の病、自分たちも関係して生み出している被害だとは考えてこなかったのである。

 


家庭内の不平等な関係を問題にするフェミニズムの広がり、1990年代前後からの国連などでの議論などを背景に、社会の認識は少しずつ変化し、2001年からは「DV防止法」(配偶者からの暴力の防止および被害者保護に関する法律)がスタートした。

 


法律ができることによって、警察や裁判所、自治体もこの問題に取り組むようになってきた。

 


これまでは別の言葉で報道されていた「事件」が、「DV」という言葉に分類し直されることによって、社会の人々はようやく、この問題について知ったり考えたりするようになった。

 


「DVは増えているのですか?」「どのくらいの割合で起こるのですか?」という質問に正確に答えることはむずかしい。

 


実態調査や相談受け付け自体が最近はじまったばかりだからだ。

 


こうしたことは、新しい社会問題である子どもへの虐待やストーカー、セクシュアル・ハラスメントについてもいえる。

 


感想

 


今でこそ、「DV」は社会問題として認知されていますが、法律化したり、国連で議論されたり、マスコミで取り上げられたりしないと問題にならないと感じました。

 


下記の本を参考にしました 

 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

 

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