とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

分業が人間関係を豊かにするのか

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  分業と有機的な社会秩序

 


分業が、人間と人間の関係をより豊かにすると考えた社会学者もいる。

 


たとえば、エミール・デュルケームである。

 


彼は、前近代社会から近代社会への移行を、成員の類似による結合である機械的連帯から、分業とさまざまな機能の分化にともなう、成員の個性と多様性にもとづいた協同的結合としての有機的連帯へという流れのなかで把握しようとしたのである。

 


また、この連帯のあり方を象徴的に示すものとして、逸脱者への苦痛をともなう刑罰による統制(刑法中心)から、民法や商法など必ずしも厳しい身体的苦痛をともなわない法の優位へという変化を見る。

 


そこには、分業のお陰で人間社会の商業的コンタクトをはじめとする相互行為が増え、その結果、厳しい統制をそれほど用いることなく、人々の間の社会連帯が強化されるという楽観的な視点が含まれている。

 


確かに、現代社会においては、ある程度、社会関係にかかわる法的な秩序が形成されたということは否定できない。

 


しかし、この比較的楽観的な見方は、あくまでも条件付きである。

 


社会の力関係の変容も含めて、分業の展開による時代の移り変わりがゆっくりとしたペースで進むならば、行政当局などが、分業が引き起こす諸問題(たとえば貧富の差・労資問題・社会福祉問題など)を自覚して、適切な法律で癒すことも不可能ではないかもしれない。

 


だが近代資本主義は、しばしば急激な変化を見せる。20世紀の歴史が教えてくれるように、社会の変化は規制よりも一歩先を走っている。

 


法律の動きが遅いので結果的には分業が少しも自発的なものにならず、かえって、強制的に展開されることも少なくない。

 


実際、2世紀後半以後この傾向はますます強まっており、今後のグローバル化時代において、分業の展開はさらに加速するだろうと予想される。

 


感想

 


分業が、人間と人間の関係をより豊かにするという見方は、確かにあると思いました。

 


分業ということは、協力して行うことがあるので、人間関係が豊かになると思いました。

 


下記の本を参考にしました 

 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

 

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