こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル ヨーロッパの子どもたち
キリスト教の教義では、嬰児殺しは厳しく禁止されてきている。
したがって、日本に布教に来た宣教師たちの目に、間引かれる子どもの情景は驚きをもって受け止められたことが記録に残されている。
確かに、ヨーロッパでは、嬰児殺しが盛んにおこなわれたことはない が、だからといって子どもがすべて家族のもとで育つ環境が保障されていたわけではない。
ヨーロッパにおける大きな問題は、捨子であり、とくにカトリックの国々では、修道院や捨子養育院などの施設で育つ子どもが目立って多かった。
ルイ・セバスティアン・メルシエの「18世紀パリ生活誌』によれば、毎年捨子養育院に送り込まれる子どもが7000人、残りの新生児が1万5000人、つまり、3人に1人は捨子だという状況である。
ここでもまた、男女の差が出てくる。
イタリアの「インノチェンティ捨児養育院」の記録を調査した高橋友子によれば、捨子の性別比はつねに女児が多く、しかも施設の外に生活のチャンスを見いだす確率が低いことから、養育院では「女児の過密状態が改善される兆しは見られなかった」という。
嬰児遺棄の対象になるのは、古代のギリシャやローマにおいても、一般に男児より女児が多かったといわれており、その要因は、家父長制社会において、女性が男性に従属する性と考えられていたゆえであるとされている。
ヨーロッパの一部、そしてキリスト教文化圏の一部での傾向を、ヨーロッパ全体に一般化することには慎重でなければならない。
けれども、家父長制的風土の社会は、女性の価値を低め、日本を含めてアジアの国々のように間引きをされるかヨーロッパの文化圏のように捨子にされるかの違いはあれ、生まれ出てきたときから、女性には困難が待ち受けているのである。
感想
ヨーロッパでは捨子が行われていたようです。
とくに、女児が多かったことを考えると、差別は歴然としてあったと改めて感じました。
下記の本を参考にしました
伊藤公雄 牟田和恵編著