こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
「父親であること」から「父親になること」へ
近代以前の社会において、子育ては女性の仕事ではなく、共同体全体の仕事だった。
地域社会全体が、地域の子どもに注意を払い、地域共同体として子育てがなされてきた。
それが、「男が外で働き、女が家事を分担する」 近代社会の登場によって、もっぱら女性の仕事として位置づけられるようになったのである。
「そんなことはない。少なくとも日本はそうじゃない」とおっしゃる人は、次のような歴史的事実をどう説明するのだろう。
江戸時代の日本において書かれた多くの女性の生き方読本には、子育てについてはほとんどふれられていない。
その一方で、たくさん出版されている子育て書は、ほとんどが父親向けに書かれているという事実である(太田素子『江戸の親子』 中公新書) 。
もっとも、「子育てのような大事なことは家長の仕事であり、こんな重要なことはおろかな女たちにはまかせられない」という女性差別が、この背景にはあったようなので、手放しで礼讃するわけにはいかないが、少なくとも、〝子育て=もっぱら女の仕事”という固定観念は、日本においても近代の産物であることは明らかだろう。
言い換えれば、近代社会以後、母親たちは社会的に「母親になる」ことをつねに要求されつづけてきたのである。
こうした観点から、「母性」といわれるものが基本的には先天的なものではなく、子育てという作業を通じて後天的に形成されたものであることについて、多くの議論がなされてきている。
感想
「子育てのような大事なことは家長の仕事であり、こんな重要なことはおろかな女たちにはまかせられない」という発想が、印象的でした。
昔ほど、跡取りというのが大事だと感じました。
下記の本を参考にしました
『男性学入門』
伊藤 公雄
作品社