こんにちは。冨樫純です
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
セックス (sex) とジェンダー (gender)
最近、性を扱う議論の中で、「セックス」 (sex) と 「ジェンダー」 (gender) という二つの概念を、よく見かけるようになっている。
セックスは〝生物学的な性〟のあり方を意味する。
これに対して、ジェンダーは、〝文化的・社会的・心理的な性”のあり方を指す言葉である。
ジェンダーとは、「社会的・文化的に構成された性のあり方」ということになる。
セックスの領域では一般的に男に属するが、ジェンダーという視点にたてば、意識の面では「女性」という「ジェンダー・アイデンティティ」(性についての自己認知)の人もいるだろう。
生物学上の性であるセックスは、なかなか変化しにくいものだ。
環境によって性転換が起こったり染色体が大きく変化したりすることはほとんどない。
もっとも、人間でも数世代もの時間をおけば、環境によるセックスのレベルでの変化が生じるのかもしれないとも思う。
たとえば、ある種の魚は、メスだけを水槽に入れておくと、いつの間にか半数はオスに性転換するという研究を読んだことがある。
環境は、生物学的な性にも影響するということだろう。実際、江戸時代の日本の男女の肉体と現在のそれとは、生物学的に見てもかなり変化しているといえるだろう。
とはいっても、一世代で、セックスという面での性のあり方が変容することはない。しかし、もう一つの性のあり方を意味するジェンダーはどうだろう。
この〝文化的・社会的・心理的な性のあり方”については、文化や歴史、さらにその個人がおかれた状況によってさまざまに変化する可能性がある。
このジェンダーという性のあり方を問題にしていくと、ぼくたちは、新しい問題に直面することになる。
というのも、もし、このジェンダーという面での性のあり方が、ぼくたちの生活にとって不都合もののであれば、人間の意志によって変更を加えることができるからだ。
感想
曖昧だったこの二つの違いが、すっきりわかりました。
『男性学入門』
伊藤 公雄
作品社