とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

小説の中の女性イメージ

こんにちは。冨樫純です

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 小説の中の女性イメージ

 


男たちにとって女の位置づけが、つねに上からの力関係においてのみ把握されているわけではないということも指摘しておかねばならない。

 


男性作家が描いた小説世界における、女性のイメージについて考察したことがある。

 


そこで明らかになったことの一つに、男性作家が描く女性のイメージのほとんどが、三つほどのパターンを抜け出ることがないということであった。

 


すなわち、憧れの対象としての犯しがたい「聖女」、上から犯す対象としての「娼婦」、甘えの対象としての「太母」である。

 


上から支配するか、下から憧れ甘えるか、という力関係の中でのみ女性が把握されているといってもいいだろう。

 


ここから導きだせる結論は、男たちにとって女性のイメージには、対等の人格をもった存在としての意識が希薄だということである。

 


なかでも、男性たちが、多くの場合、女性たちに無意識のうちに強い依存心を抱いているという問題は、重要であろう。

 


男性の九割近くは、自分が「自立」していると考えているが、生活レベルでの自立が十分にできている男性の数はそれほど多くはない。

 


また、男性たちは「自立」しているという表向きのポーズや思い込みのある一方で、しばしば女性に対する強い精神的な依存によって自己を支えてもいる。

 


生活レベルでの不十分な自立と、精神的な女性への依存心の存在、それが、女性イメージの重要なファクターとしての「太母」イメージと結びついているのだと思う。

 


言ってみれば、男たちはこれまで、男らしさの鎧に身をかためつつ、その一方で、女性に対する強い依存心を抱いてきたのである。

 


感想


男たちにとって女性のイメージには、対等の人格をもった存在としての意識が希薄だということであるという箇所がおもしろいと思いました。


だから、日本は男女平等が進まないのだろうかと思いました。


下記の本を参考にしました 


男性学入門』 

 伊藤 公雄

 作品社

 

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