とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

吝と浪費は似たもの同士

こんにちは。冨樫純です

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 浪費という過剰

 


貨幣の悪魔的な魅力は、各箇や守銭欲とは一見すると正反対の行為と思われる「浪費」という傾向にも同じ作用をもたらすとジンメルは考える。

 


つまり、各箇や守銭欲の場合は、〈貨幣の力〉に魅了された人間がまさにそうした力を自分の手元に置きたいがためにお金をため込むわけだが、浪費の場合はそうした〈力〉をもつ貨幣を惜しげもなく使い果たせることに悦びを見い出す。

 


現象としては正反対でも、貨幣に対する関心の置き方は同じなのだ。

 


浪費はいわば「逆の符号によって」「貨幣観点(=ものを見るときの中心に貨幣を据えること)」を「関心の前景に押し出す」のだ。

 


守銭欲そして浪費は、ある意味で現代を生きる私たちにとって貨幣が帯びる〈過剰〉ともいえる意味の重要性を映す〈鏡〉のようなものだ。

 


もちろんこうした「貨幣関心そのものに横たわっている無際限性」は、多くの場合現実の生活への脅かしを生じさせる。

 


平たくいえば私たちは、貨幣への関心だけでは決して幸せにはなれないのだ。

 


そして過度の貨幣への関心は、そのほかの関心の領域への〈気遣い〉を磨耗させる。

 


感想

 


吝と浪費は紙一重と言われることがありますが、ジンメルからきているのかと感じました。

 

下記の本を参考にしました 

 


ジンメル・つながりの哲学 』

   菅野 仁

   NHKブックス

 

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