こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル ダンテの楽園と現実の社会
私たちはややもすると、反対や対立や争いが全くない社会を理想の社会として夢想しがちである。
現実の社会はそうはならないとは思いながらも心のどこかでそうした絶対一致、絶対平和の社会こそほんとうの社会ではないかと思いがちなのではないだろうか。
「しかし」とジンメルはいう。
「ダンテが楽園のバラのなかに認めた聖者の社会は、そのような争いや対立の全くない」状態であったかもしれないが、しかしそれはまたいかなる変化と発展をも欠いていただろう。
現実には「いかなる社会的な統一体」も、そのなかに「諸要素の収斂する方向」と「拡散する方向」とが両方絡まり合っていなければ、存在できないだろう。
私たちの「生」の営みを可能にするのはつまり、肯定的、協調的、調和的な力や要素ばかりでなく、否定的、対立的、闘争的な力や要素でもあるのだ。
その双方のバランスのあり方によって社会的な統一の性格が定まってもくるし、また統一を経験しながら新たな関係の構築が可能になっていく。
だから「統一」という概念は、「二重の意味」をもつ。
狭義の統一の意味は、「社会的な諸要素の分裂、分離、不調和」などに直接的に対置される「一致や結合」という状態である。
しかし、社会が統一的な生活をもつというのは、この二つの性格を総合したものとして考えられる「広義の統一」においてであるのだ。
感想
ダンテの世界観はたしかに現実的ではないと思いました。
下記の本を参考にしました
『ジンメル・つながりの哲学 』
菅野 仁