こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 教科書にはないコミュニケーション論
命を張って脅してくるヤクザに対して、勇気と気概を込めた命がけの説得。
こういうコミュニケーションが、通常のコミュニケーション論や社会学の教科書で扱われることはほとんどない。
教科書で紹介することは、一般に通用する知識や技術である。
多くの人が多くの場合に使えるという一般性。
これが、(対) ミンボー・コミュニケーションには欠ける。だから教科書にはない。
だが「学校の教科書には、社会にはヤクザという生き物がいるので気を付けろ、なんて一行も出ていないし、学校の先生や大学教授だって教えてくれたことなどなかった。
私の受けた教育とはいったい何だったのだろうか」と。
暴力団対策法(暴対法)が 1992年から施行され、かつてのようにヤクザはミンボー・コミュニケーションを実行できなくなっている。
代紋(特定の暴力団を象徴する紋)の入った名刺を素人に見せるだけでも恐喝と見なされ、警察による検挙の根拠となりうるからである。
その結果、暴力団は不法に手に入れた金を新興ベンチャー企業の株に投資し、インサイダー取引や株価操作によって資金を集めるようになってきた。
暴力団構成員も暴対法以降激減し、以前のように
みかじめ料でしのいでいくという組はかなり少ないらしい (NHK「ヤクザマネー」取材班 2008)。
暴力団が地下に潜って活動するようになって、素人とヤクザがかつてのように接触することはなくなってきたわけである。
では、対ミンボー・コミュニケーションを学ぶ必要はもうなくなったのか。
必ずしもそうとは言えない。
たとえば、暴力団構成員は表立ってベンチャーへの投資などができない。
彼らに代わって投資するのは、元銀行員や元証券マンなど金融のプロで、「共生者」と呼ばれてい
る。
投資によって儲けた金は、ヤクザと共生者双方の利益になるからである。
儲かっているあいだは、ヤクザは共生者を「先生」と呼んで、対等のつきあいをする。
けれどもいったん失敗すると、別の儲け話を持ってきて穴埋めしろと脅す。
そして、ヤクザを儲けさせるためだけに働くしかなくなってしまう。
感想
いわゆるヤクザの存在を学校で、教科書で教えるのに抵抗があるのはぼくだけではないと思いました。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ