こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
前からメタ倫理学に興味があり、入門書を探していました。
ちょうど良さそうなものを見つけたので、購入しました。
②こんな本です
『倫理の問題』とは何か
メタ倫理学から考える
佐藤岳詩著
それは良いことか、悪いことか。これは正義か、不正義か――。
倫理の問いは、ちょっとしたひっかかりから、大切な日常が揺らいだときに現れる。
コロナ禍において、善や悪や正義で他人の行動を断じるケースが多発したが、私たちの多くは「そもそも倫理とは何なのか」という前提をきちんと理解していない。
「やってはいけないこと」と「やってもいいこと」、「良いこと」と「悪いこと」を、私たちはどうやって区別しているのか。
個々の倫理的な問題に答えを出す前には、「倫理の問題にどう向き合えばいいのか」を問い直す必要があるのだ。
本書では倫理学者である筆者が、現代西洋倫理学のさまざまな立場を通じて、メタ的視点から「倫理」について考えていく。
自分と他人、そして世界の眺め方が変わる、メタ倫理学の入門書。
③こんな言葉が印象に残りました
予め結論を述べておくと、倫理とは何なのかを巡って、以下では次のような四つの見解が提示されます。
①重要性基準
私たちの生にとって重要で深刻なものを示すものが倫理・道徳。
重要なものを保護し維持することが倫理的に優れたことであり、その逆が倫理的に劣ったことである。
②理想像基準
私たちにとっての理想像を示すものが倫理・道徳。理想に近づくことが倫理的に優れたことであり、その逆が倫理的に劣ったことである。
③行為基準
意図に基づいた振る舞いを示すものが倫理・道徳。
良い意図に基づく行為が倫理的に優れたことであり、その逆が倫理的に劣ったことである。
④見方基準
倫理・道徳とは世界の見方そのもの。
世界の良い見方が優れた倫理であり、その逆が劣った倫理である。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『心とからだの倫理学 』
エンハンスメントから考える
佐藤 岳詩著
『はじめての動物倫理学』
田上 孝一著
⑤感想
少し難しいところもありましたが、おもしろかったので、ますます勉強したくなりました。
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。