こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 パターナリズムと専門家支配
医療過程においてもケアが重視される時代になり、治療過程を取り巻く周辺でのコミュニケーションの充実が求められている。
医療過程でのコミュニケーションへの着眼点として、次のようなものをあげることができる。
病状や治療の方法をめぐって、行為主体間の関係、コミュニケーションの内容の層、コミュニケーションの形式、時間的経緯のなかでのコミュニケーションの変容などが着目される諸点である。
そのなかでは、病気と治療にかかわる医療情報のやりとりが重要なものとなっている。
医療の領域においては、専門家としての医師が自ら駆使できる病気や治療に関する情報の優位性をもって、患者や家族とのコミュニケーションに臨むことが多く、そこには非対称な関係が現れることが多かった。
課業環境の厳しさや職務の仕組みから、医師が患者や家族と十分な話しあいをもてないことも多い。
情報の非優位のなか、話しあいの少なさを患者や家族はそれをつらいこと、納得できないこととして受けとめている。
「もう少しこちらの身になって話し合いをしてほしい。多くの患者を見るので、きめこまかな心くばりは一切なく非常に心細い思いをした。何か先生がジキルとハイドのように思えた事があり、いまだにいきどおりを感じています」
「治療の説明を聞こうと何回か申し込んだが2日間も医師と話ができずに、3日目にようやくナースステーションであう事ができ、説明を求めると、イヤな顔をし、もうおたくの治療はしたくない、病室に行くのもイヤだ、外の病院に移ってもいい、などと医師から言われ、もうその時主人はベットから動ける状態ではないのに、医師とはなんでしょうか」
それらのような医師の態度の背後にあるものは、従来より「パターナリズム(paternalism)」と称されてきた。
パターナリズムとは、一般には強い立場にある者が弱い立場にある者の利益を慮って、弱い立場にある者の意志を尊重しつつも、ときにはその者の意志に反してでも、その行動や判断に介入・干渉することである。
「悪いようにはしないから、オレの言うことを聞いておけ」ということである。
語義的には、父親が子どもたちを養育するとともに監督するように、目上の者が目下の者に配慮して恩恵を施すとともに管理統制を行なうことである。
医療過程において、それを可能にしていたのは、「おまかせします」という形で、医師のもつ情報・判断・行為に対する患者や家族の側の無条件の信頼に基礎づけられていたと考えられる。
それは、逆の視点でとらえれば、「専門家支配 」称される権力性が内包されていたといえるであろう。
感想
医者に診てもらうのが嫌な人がいますが、上から目線で高圧的だからだと言います。
パターナリズムっていうんですね。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ