こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 純粋な関係性と親子
アンソニー・ギデンズは、親密な人びとのあいだで求められる「純粋な関係性」と再帰的近代との関連について論じた。
ギデンズの指摘する「純粋な関係性」とは、互いに関係を結ぶことを目的としており、その関係を継続させたいと思うような十分な満足感を得ている限り関係を続けようとするような関係性のことをさす。
近年の親子関係もまた、純粋な関係性に影響を受けていると、彼は指摘する。
ギデンズは、「母性」が重要視される社会において、子育てには親と子の情愛に満ちた関係性と子どもの自立性を育むことという二つの要素が求められていると指摘する。
子ども時代が純粋な関係性の世界の影響をまったく受けずにいると考えるのは、確かに誤りである。
母性という概念の社会的創案は、母親が子どもとの間に、情愛にみちた関係性を、つまり、子どもの欲求をとりわけ重要視する情愛にみちた関係性を育むべきであるという考え方の先触れとなり、またそうした考え方を具現化させていったのである。
親は、子どもとの間に緊密な感情的結びつきを育むように努めるべきであるが、同時にまた子どもの自立性にたいしてもしかるべき認識をもってしかるべきであるとする見解が生まれていった。
しかし、子どもとの「感情的な結びつき」は母親にとって必ずしも満足感をもたらすものではない。
大日向雅美は、母親が乳幼児期の子どもに感じるストレスとして「子どもが思いどおりにならない
イラダチ」をあげる。
親は子どものそれぞれの発達段階に合わせてさまざまなしつけや教育を行なうと同時に、子どもの要求に的確に応え、子どもを満足させるという役割を担っている。
ここで問題となるのは、子どもは決して親の思い通りに行動してくれないということである。
子どもは親の働きかけに応えないだけでなく、自分勝手に行動して危険に遭遇したりする。
そのようなときに親の苛立ちは増大する。
とくに、親にとってより大きなダメージとなるのは、子どもの言動に親に対するなんらかの意図を読み取ることができる場合である。
たとえば、旅先で子どもがいつまでも寝付かないとしよう。
この場合に、「昼間の興奮がなかなか冷めないのだろう」「慣れない環境で緊張しているのかもしれない」などと解釈できるならば、子どもに対する苛立ちは少ない。
だが「わざと親を困らせるために眠らないのだ」と感じる場合はどうだろうか。
じっさい、子どもは単に眠れない場合もあれば、故意に眠らない場合もある。
真実はどうあれ、親がこのようなマイナスの意図を読み込む場合には、子どもの反抗的な態度が苛立たしいだけでなく、そうした態度をとらせている自分に対しても否定的な感情が芽生えるだろう。
子どもが思い通りに行動する場合にも、親は満足感を得られるとは限らない。
子どもは天真爛漫に振る舞うことがある反面、かなりのエネルギーを割いて親の感情を敏感に察知しようとする。
親が厳しい態度をとれば、子どもは親の顔色をうかがい、親の要求に応えようとする。
こうした子どもの従順な態度が過度に生じた場合には、親は不安になったり、苛立たしさを感じたりする。
親の前でおとなしくしている子どもに「私の顔色ばかりみて、子どもらしくない」と腹を立てたり、子どもを不安にさせたりしていると自分を責める親もいる。
感想
親子関係に関して、上手く説明していると思いました。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ