とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

部活動と結社の共通点

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 結社における集団

 


同性同士の友情を制度化する慣習は、決してアフリカや南米の社会に特有のものではない。

 


近代以前に遡れば中世のヨーロッパにもあったし(騎士団や秘密結社)、近世の日本でも「若者組」として広く存在していた。

 


たとえば若者組は15歳になると一律に加入させ

られ、通常結婚するまで若衆宿で生活する。

 


同宿の若者たちは家格や貧富にかかわらず義兄弟(女同士や男女の場合もある)の契りを結び、結婚後も物心両面において緊密な交際を続ける。

 


こうして普段から親睦を深めることで、祭事や村内警備や海難救助に結束してエムシーたったのだ。

 


またこうした若者集団は人類学では「男性結社」と呼ばれるが、日本では「娘組」という女性だけの組織も各地で見られた。

 


そこでも若者組と同じように、未婚の娘たちが村

の娘宿に寄り集まって粉ひきや針仕事などを習い、同時にそこへ訪れる若者たちと交流しつつ、将来の夫を選定したとされる。

 


今日では、こうした同性だけの社会集団は「ホモソーシャルな関係」と呼ばれ、否定的に見られることが多い。

 


現代においては「異質な他者」と出会うことが価値のあることであり、同じ属性の人間だけで固まることは閉鎖的で画一的な精神を助長すると考えられているからだ。

 


だがそうした非難は、同性集団の表面的な部分しか見ていないように思う。

 


じっさい若者組は、年長者と年少者の序列関係と、仲間同士の競争関係である。

 


こうした要素を考慮に入れると、均質な同性集団に見える若者組が、むしろ成員たちの「個性」や「隔たり」をむき出しにする場だったということがわかるだろう。

 


若者組の内部には厳格な年齢階梯制があり、新入りは使い走りをさせられ、目上への挨拶や寄合での席順を守らない者には容赦なく制裁が加えられた。

 


たとえば佐賀県のある漁村の古老は、「年少者は年長者の床をのべ掃除をし風呂では垢流しをる。……日中は宿主や年長者から網仕事を教わる。自家には飯を食いにゆくだけで、父よりも宿の年長者が恐ろしく、仲間の競争が烈しくて仕事がはかどる」と回顧する。

 


また薩摩地方の「兵児二歳」という組織では、未婚の青少年が厳しい規律に従って鍛錬にはげみ「内にありては相親しむ事兄弟の如く、外に対しても盛んに競争の念を養成する」ことがめざされていたという。

 


このように年長者が兄貴分として年少者を監督し、仲間同士を競わせることで、若者組は教育機関の役割を果たしていたのだ。

 


こうした習俗は明治以降も地域の青年団(や学生寮や軍隊など)に受けつがれ、そこでも男同士の荒っぽい競争と兄弟愛的な友情が盛んに見られた。

 


荒っぽさはとくに外部の者との張りあいで顕著に現れ、祭りでは村の面子をかけて若者たちが激突し、他の村や組との喧嘩には大人の男たちまで駆り出されることもあったという。

 


感想

 


この話を聞いて、名門校の部活動をイメージできると思いました。

 


先輩後輩の上下関係や規律や鍛練など共通点が多いということです。

 


下記の本を参考にしました 

 


『コミュニケーションの社会学

 長谷 正人 他1名

 有斐閣アルマ