とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

現代の恋愛

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 現代の恋愛

 


恋愛をめぐる近年の代表的な理論として、イギリスの社会学者A・ギデンズ(『親密性の変容』而立書房)の議論をみておきましょう。

 


彼はまず小説の分析などから、現代社会では「純粋な関係性」ー性的にも感情的にも男女が対等な立場に立つ関係性―が希求されているといいます。

 


かつて婚前性交はとくに女性にとって禁忌とされていたのに対し、男性は結婚前も結婚後も性交渉が認められ、ときには「男の甲斐性」として推奨されてきました。

 


これを「性の二重規準」といいます。

 


これに対して、今日では婚前性交に反対する人は確実に減少しています。

 


日本でもNHK世論調査によれば、1973年の時点では婚前性交を「不可」とする者は58%いましたが、2008年の調査では23%まで減少し、「愛情があれば可」「無条件で可」という人が49%とほぼ半数になりました(NHK放送文化研究所現代日本人の意識構造[第7版]』NHK出版)。

 


若者ではこの傾向は著しく、日本性教育協会の調査では1993年の時点で「どんな場合でもいけない」と答えたのは、大学生の男子で1.9%、女子では1.8%となり、それ以降、この調査項目自体が削除されました。

 


そして、代わって入れられた「愛情がなくてもセックスをすること」を肯定する率は、2011年の時点で大学生男子では47%、女子で21%となり、同じく「知り合ってすぐの人とセックスをすること」の肯定率も大学生男子で46%、で女子でも23%となっています(日本性教育協会編『青少年の性行動――わが国の中学生・高校生・大学生に関する第7回調査報告」)。

 


こうした性愛のあり方は、ギデンズによれば、「自由に塑型できるセクシュアリティ」と呼ばれ、「純粋な関係性」の重要な要素であるといいます。

 


それは「家」の存続に必要な生殖から自由なセクシュアリティだからです。

 


また、同性愛もまた、生殖から解放されているという点で「純粋な関係性」です。

 


かつては―古代ギリシアの「少年愛」や、近世日本の「衆道」では男性同性愛は公認でしたので、正確には近代社会では、 同性愛は「性的倒錯」とされましたが、現在では欧米のゲイコミュニティや、日本で少女に人気のBL系のマンガの隆盛にみられるように、一定の範囲内で認められるようになりました。

 


そして、BL系マンガの少年愛では文字通り「無垢の愛」が描かれています。

 


また、日本性教育協会の2011年調査でも、大学生男子の42%、女子の51%が「同性との性的行為」に肯定的な回答をしています。

 


同性愛に関してはどうも女子の方が肯定的なようです。

 


精神科医斎藤環は、BL系マンガが少女たちに人気があるのは、そこでは男同士の友情や確執といった関係性が描かれ、ファンはその関係性をいかに恋愛すなわち男性同性愛の位相に変換するかに熱中するからだといいます(斎藤環「関係する

女 所有する男』講談社現代新書)。

 


かつて恋愛は「私の彼」「俺の女」というように「所有」の問題として語られてきましたが(R・コリンズ「脱常識の社会学岩波書店)、今日では冒頭に引いた江國香織「ホリ・ガーデン』(新潮文庫)の主人公である果歩の独白にあるように、「所有」の問題ではなくなりつつあるようです。

 


感想

 


「性の二重規準」というのがあったことに驚きました。

 


男性側の都合だと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『ライフイベントの社会学

   片瀬 一男著

 世界思想社