とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

功利主義を深掘りする

こんにちは。冨樫純です。

 


本を紹介します。

 


①この本を選んだ理由

 


哲学を勉強中で、倫理学もおもしろいと思い、まずは、入門書を読んでみようと思いました。

 


②こんな本です

 


功利主義入門』

 はじめての倫理学

   児玉 聡著

   ちくま新書

 

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倫理学とは「倫理について批判的に考える」学問である。

 


すなわち、よりよく生きるために、社会の常識やルールをきちんと考えなおすための技術である。

 


本書では、「功利主義」という理論についてよく考えることで、倫理学を学ぶことの意義と、その使い方を示す。

 


「ルールはどこまで尊重すべきか」や「公共性と自由のあり方」という問いから「幸福とは何か」「理性と感情の関係」まで、自分で考える人の書。

 


③こんな言葉が印象に残りました

 


スロヴィックは世界中で貧困や戦争で苦しんでいる人々について、以下の例を挙げている。

 


アフリカのダルフール地方では過去4年間に20万人もの市民が殺され、250万人が難民となっている。

 


また、世界銀行の推計によれば、世界中で約14億の人が、健康や教育など基本的なニーズを満たすことができない絶対的貧困(1日1ドル未満、2008年に1日1.25ドルに改訂された)の状態で暮らしている。

 


ところが、先進国に住むわれわれは、このような統計上の数字を目にして少しは心を痛めるかもしれないが、その心痛が何らかの援助行為に結実することはほとんどない。

 


われわれは決して聖人ではない。

 


だが、目の前に困っている人がいれば可能な範囲で助けようとする。犬や猫などの動物を助けることもある。

 


しかし、援助を必要とする人の数が増え、それが統計的な数になると、われわれはしばしば「心理的麻痺」に陥る。

 


心理的麻痺というのはスロヴィックが作った言葉だ。彼は、われわれが大規模な災害や虐殺に対してほとんど何も感じないのは、人間の心理には何か根本的な欠陥があるからではないか、と考えたのだ。


(本文より引用)

 


④この本が気になった方への2冊はこちら

 


『カント入門 』

   石川 文康著

   ちくま新書

 


『現代倫理学入門 』

   加藤 尚武著

   講談社学術文庫

 


⑤感想

 


倫理学がますますおもしろく感じる1冊となりました。ハマりそうです。

 


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。