とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

親不孝者に相続権はないか

こんにちは。冨樫純です。

 


「親不孝者に相続権はないか」についてのコラムを紹介します。

 


相続権が剥奪されることがあるという事実に驚きました。

 


不良少女が暴力団員と結婚したら、親や夫·妻を殺して遭産の獲得をはかる者や遺言書の偽造などのインチキをする者に相続を許すのは、社会感情としても被相続人としても納得できません。

 


そこで民法は、相続人に一定の重大な事情がある場合に相続権や遺留分権を刻奪する制度を2種類設けています(同891条~895条)。

 


① 相続欠格

 


故意に被相続人や先順位もしくは同順位相続人を

殺したり、または、殺そうとして刑に処せられた場合のほか、詐欺、強迫により被相続人に遺言をさせたり、あるいは遺言書の偽造、変造など遺言に関して不正を働いた場合に、当然に相続権を失います。

 


② 相続人の廃除

 


人に対する虐待重大な侮辱、または、相続人にその他の著しい非行があった場合に、被相続人の申出にもとづき家庭裁判所の手続を経て相続権を剥奪します。

 


相続欠格の場合ほどひどくはないが、被相続廃除を認めた実例として、夫が妻に再三暴力をふるいその暴行が原因で流産し死亡させたケース、大学入学後賭け事や女遊びにおぼれ、中退後も正業につかず親に金を強要し、応じない親に乱暴した子のケース (「親泣かせ」事件と呼ばれています) などがあります。

 


また、微妙な事例として、裕福な家庭の娘が少女期から非行に走り、暴力団員との同棲の後、別の組員と結婚し、結婚に反対する父の名で披露宴の招待状を出した場合に廃除を認めています (育てかたにも問題のありそうな事例で、異論もあるでしょう)。

 


反対に否定例として、娘が親の反対を無視し少年院に収容された経験のある男性と結婚しても廃除は認められないとするものがあります。

 


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ