こんにちは。冨樫純です。
DVがクローズアップされる前は、我慢することくらいしか対応策がなかったことに驚きました。
「ドメスティック·バイオレンス」についてのコラムを紹介します。
ドメスティック·バイオレンス(DV) というのは、夫(や恋人)の妻(や親密な関係にある女性)に対する暴力のことです。
DVと英語でいわれると、何か新しいもののような気がするかもしれませんが、夫が妻に暴力をふるうというのは、あまりに「あたりまえ」のこととして、最近まで問題にもされてこなかったのです。
夫の暴力は多様です。
殴る、蹴る、髪をひっぱる、物をなげつける、首を絞める、刃物を突きつけるといった、身体的暴力。
罵倒したり、無視したりといった心理的暴力。
レイプ、ポルノを強制的に見させる、性交渉を強制するなどの性的暴力。
家庭の外なら当然犯罪になる行為、家庭の中で起こると警察も知らんぶりでした。
多くの女性が、暴力を受けていることをだれにも相談できず、医者に行くことさえもためらい、自分が悪いからと思い込み、相談した周りの人々からがまんしろといわれ、経済的な不安から夫の暴力を告発できずに、夫との生活を続けています。
内閣府が行った調査(2008年)では、これまでに結婚したことのある女性の33.2%に、暴力の被害経験がありました。
2001年、DV防止法が施行され、保護命令制度ができました。
警察も積極的に介入してくれるようになり、配偶者暴力相談支援センターのしくみもつくられました。
夫(や恋人)の暴力は、社会の中で、男性が経済的·社会的に力を持っていることの反映です。
暴力にさらされた女性のためのシェルター(緊急避難施設)づくりや生活再建支援、加害者の処罰とともに、根本的には男性優位の社会構造そのものを変えていく必要があります。
下記の本を参考にしました
『ライフステージと法 』
副田 隆重 他2名
有斐閣アルマ