とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

エステの効果がなくてやめたい時

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


3カ月前からエステティックサロンに毎周通っていますが、まるで効果が見られず、かえって逆効果みたい。


料金は1年分前払いしてあるので、「もう止めたいので、未消化の9カ月分のお金を返して」と申し入れたところ、「返金はいっさいしない。契約書に書いてある」といわれました。こんなひどい話、ありですか。


解答


半年やら1年といら長期にわたる期間を対象にしたサービス提供取引をめぐる消費者トラブルが増えています。


「肌がきれいになる」 「英会話が上手になる」という目的達成のためにはある程度の期間継続してサービスが提供される必要があります。


そのため、業者側はその長期にわたるサービス提供の料科金(一般にかなり高額となるでしょう)を前払の形でとることが多くなります。

 


他方で、消費者側は、期間中に転居や病気などで続けられなくなったり、あるいは、期待した効果が得られないから途中で止めたいと思っても、業者側が中途解約や返金に応じないケースが少なくありませんでした。


そこで、1999年の法改正以降、このタイプの契約について, 前に述べたクーリングオフのほかに中途解約が認められることになりました。


現在、エステティックサロン、外国語会話教室、家庭教師派遣、学習塾、パソコンワープロ教室および結婚相手紹介サービスの6業種(特定継続的役務提供という)に関して、期間内での中途解約が認められています。


かりに契約書の中に消費者側の解約を制限する規定があっても、それは無効とされます。


ただ、中途解約した場合、消費者側は、すでに提供を受けたサービスの料金に相当する金額に加えて、中途解約により業者側に「通常生ずる損害」(政令によって上限が決められています)を賠償する必要があります。


たとえば、エステティックサロン(期間1カ月を超えて5万円を超えるものであることが必要です) についていえば、設例のケースでも中途解約が可能であり、利用者は、当初に支払った額から、すでに提供を受けた3ヵ月分の料金、および「通常生ずる損害」 (2万円または契約残額の10%相当額のいずれか低い額)の合計額を差し引いた金額の返金を求める権利があるということです。


また、 エステを受けるに際して、健康食品や化粧品の購入が要求されることが少なくないですが、その場合には、これら政令で指定する 「関連商品」の販売契約についても中途解約、代金の精算が認められます。


外国語会話教室の場合 (期間2ヵ月を超えて5万円を超えるものであることが必要)も、基本的にはエステと同様の扱いですが、前記の「通常生ずる損害」は5万円または契約残額の20%相当額のいずれか低い額とされ、書籍 (教材を含む)、テープなどが 「関連商品」として中途解約が認められます。


2004年の法改正により、マルチ商法で商品を購入したものの売れずに在庫を抱えてしまった個人に対し、中途解約 (組織からの退会)と一定条件(入会後1年以内、引渡後90日以内、商品を再販売していない等)のもとでの在庫商品の返品、返金が可能となりました。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ