こんにちは。冨樫純です。
「平等」についてのコラムを紹介します。
奴隷の存在が前提としてある時代での「平等」が、市民間に限られていたところが、なるほどと感じました。
アリストテレスは 「等しいものを等しく扱う」ことを正義の本質とみなす一方で、人間にはその本性において奴隷がふさわしい者もいるとして奴隷制を擁護した。
古代ギリシアのポリス世界においては、たしかに
平等が強調されたが、その場合の平等とは市民間に限られるものであった。
奴隷の存在はあくまで自然なものとされたのである。
その後、ストア派の哲学者は奴隷を含めた人間の平等を説いた。
ポリスという活躍の場を失った彼らは、その代償として、自然法とすべての人間の平等という理念を手に入れたのである。
とはいえ、ストア派の平等はあくまで知識人の理念というレベルにとどまった。
これに対し、初期キリスト教会は神の前の人間の平等を、より具体的な教団の諸活動において実現したといえるだろう。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ