こんにちは。冨樫純です。
「デモクラシー」についてのコラムを紹介します。
デモクラシーが、元々は現代とは全く違う意味で使われていたことに驚きました。
また、どこで変化していったのかという疑問は残りました。
デモクラシーとは、古代ギリシアの政体論の一分類として生まれたものであり、もともと民衆の支配や権力を指す言葉であった。
すなわちー人や少数者による支配ではなく、自由で平等な市民による相互支配こそが、その本質であった。
したがって、すべての市民が集まる民会による意思決定のみならず、公職が抽選によって決定され、民衆裁判に市民が参加することが重視された。
その意味では選挙はむしろ貴族政的な制度であり、選挙によって選ばれた代表者による意思決定を大幅に取り入れた近代のデモクラシーを、同じくデモクラシーと呼ぶべきかについては問題が残る。
アリストテレスがいうように、デモクラシーにおいて大切なのが、支配と服従の両方を経験することだとすれば、もっぱら代議士に政治を委ねる近代のデモクラシーは、むしろ自由な寡頭政(オリガーキー)といえるかもしれないからである。
にもかかわらず、市民による自己統治としてのデモクラシーという理念は、現代でもなお重要な意味をもっている。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ