とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

文化帝国主義とは

こんにちは。冨樫純です。


「文化帝国主義」についてのコラムを紹介します。


サッカーの競技人口が多い理由が、イギリスの世界進出の影響であることを知り、今でもイギリスの影響力が強いと感じました。


「麦当労」 「肯徳基」、そして 「全家便利商店」?


「麦当労」「肯徳基」という漢字を見て、あなたは何のことかわかるだろうか。


各々、ファストフードの代表格たるマクドナルド、ケンタッキー·フライドチキンの中国での店名、「マイダンラオ」 と「ケンダージー」 である。


特定の国の文化がトランスナショナル化、グローバル化して、世界各国に普及し、進出された国の文化様式、生活様式潜在的に支配するかのように機能することを、文化帝国主義と呼ぶ。


古くは大英帝国の世界進出が、そして、20世紀以降の現代社会はアメリカ文化の進出がその代表例といえるだろう。


コカコーラやディズニーなど、アメリカの多国籍企業によって果たされる進出は、各国での「アメリカ化」を帰結し、当該国の文化的アイデンティティとの関係において葛藤ー共生の間を揺れ動いている。


スポーツのグローバル化においても、人気スポーツの多くがイギリス発かアメリカ発のものであることは興味深い。


その一方で、普及したスポーツを通じて、「奴等のスポーツで奴等を倒す」 ことが被支配的な立場にある人びとの反撃の1つともなりえる(西山 2006)。


サッカーにおいて、イングランドは “母国”、ブラジルは“王国”というふうに対比して並び称されることも、そういった意味を有している。


文化産業の戦略が無条件に相手先の受容の方法を確定するなどということはなく、文化の消費、受容には対抗や妥協、矛盾をはらんだ複数の立場の多様なせめぎあいが存在しているのである。


私たち日本の文化も、カラオケ、TVゲームなど、ハードな産業テクノロジーの領域を中心に世界への進出を果たしている。


ハードという文化的には目立ちにくい形ながら、

そのうえに各国特有の個別性に満ちた文化ソフトを載せることができるという日本独特の進出スタイルは、ある種のしたたかさを備えているといえるのかもしれない。


同様に進出する日本のコンビニエンスストアの1つは、漢字圏において「全家便利商店」と表記されるが、これはどの企業のことだろうか。

 

下記の本を参考にしました


社会学

   新版 (New Liberal Arts Selection)

   長谷川 公一 他2名

  有斐閣