こんにちは。冨樫純です。
「月の側から見た地球」についてのコラムを紹介
します。
月面着陸の成功が、宇宙開発熱を急速に冷まし、地球の環境保全へと人びとの意識を大きく変える転機となり、環境ブームをもたらしたことに意外性を感じました。
私たちの多くに、地球を宇宙から見せてくれた最初の写真である。
1968年のクリスマスイプに、地球周回軌道から離れてはじめて月のまわりを回ったアポロ8号から撮影されたものだ。
アポロ8号は、翌夏に月面着陸するアポロ 11号のために、着地にふさわしい場所を探していたのである。
宇宙船が月の反対側へ回ると、想定どおり無線が途絶えた。
何の音も聞こえてこない沈黙の時間が続く。
誰もがその理由を理解してはいたが、誰もが固唾をのんでいた。
そして、無線が再び通じはじめたとき、宇宙飛行士たちは眼前のこの光景に息をのんだ。
宇宙空間の真っ暗な闇のなかから地球が姿を現しはじめたとき、フランク·ボーマン船長は、創世記の一節をロにした。
「はじめに神は天と地とを創造した。」
宇宙飛行士の1人、初飛行のビル·アンダースがこの写真を撮った。
「地球の出」として有名になった写真である。
この画像は、人類の意識を変えることになった。
実際、この写真が撮影されてから2年で、現代的な環境運動が誕生した。
大気汚染防止法、水質汚濁防止法、国家環境政策法、第1回アースデーも、この写真が現れてわずか数年のうちに日の目を見たのである。
この写真が撮影された翌日、つまり1968年のクリスマスに、詩人のアーボルト・マクリーシュは記している。
「ありのままの地球を見ること、つまり、宇宙という永遠の沈黙のなかに漂う、小さく青く美しい姿を見ることは、私たちをこの地球に一緒に乗り合わせた乗客と見ることだ。私たちは、永遠の冷たさのなかにある、あの明るく輝く愛らしい地球上の兄弟を知っている兄弟なのだ。」」 A. ゴア 「不都合な真実」 (Gore 2006: 12, 原著から今や自分たちが本当に兄弟であること訳出)
アポロ8号が撮った、月側から見た宇宙空間に浮かぶ地球の写真と、翌1969年7月20日の月面着陸の成功は、皮肉にも、宇宙開発熱を急速に冷まし、かけがえのない、足元の地球の環境保全へと人びとの意識を大きく変える転機となった。
世界的に最初の環境ブームをもたらした。
下記の本を参考にしました
『社会学』
新版 (New Liberal Arts Selection)
長谷川 公一 他2名