こんにちは。冨樫純です。
「グローバリゼーションと都市」についてのコラムを紹介します。
グローバリゼーションが進むと格差社会が進行するといわれますが、どの国にも当てはまるわけではないようです。
グローバリゼーションは都市にどのような影響をもたらすのか。
たとえばフリードマンやサッセンは次のような分極化のメカニズムを指摘した。
先進国企業による海外直接投資の拡大は、投資先である途上国において移民送り出しを促進する一方、先進国大都市において中枢管理機能を支える生産者サービス部門の集積を促す。
ただしそこでは、弁護士、会計士、コンサルタントといった高賃金の専門技術職ばかりでなく、ビル清掃や警備、食品加工など大量の低貨金職種も生み出される。
増加する移民労働者はこの労働市場の底辺部へと組み入れられる。
加えて工場の海外移転により熱練労働者など中間層が減少する結果、グルーバル化する都市では階層分極化が進む(Sassen 1988=1992)。
この仮説は、世界中で検証が試みられてきた。
はたして格差は拡大しているのか。
結論からいうと、各都市の歴史的特性や構造の違いは大きく、グローバリゼーション仮説は都心変動の一部しか説明していない(Marcuse & van
Kempen eds. 2000 など)。
欧米のように脱工業化が大きく進む都市もあれば、日本のように製造業が都市内に残っていくケースもある。
下記の本を参考にしました
『社会学』
新版 (New Liberal Arts Selection)
長谷川 公一 他2名