とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

即決裁判手続とは

こんにちは。冨樫純です。


「即決裁判手続」についてのコラムを紹介します。


裁判官や検察官の負担を減らすという背景があるのではないかと思いました。


懲役や禁鋼の執行猶予がふさわしい軽微な事件で被疑者の同意がある場合には「即決裁判」 という簡易かつ迅速な裁判が選ばれることがある。

 

すなわち、検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、 軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判、手続の申立てをすることができるのである(刑訴 350条の2第1項。ただし、死刑または無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁鋼に当たる事件については、この限りでない)。


この手続では、略式手続の場合と同じく、被疑者の同意は書面でしなければならない。


この場合において、検察官は、被疑者に対し、即決裁判手続を理解させるために必要な事項(被疑者に弁護人がないときは、次条の規定により弁護人を選任することができる旨を含む)を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げなければならない(刑訴350条の2第3項)。


また、略式手続と同じく、即決裁判でも、刑訴 320条1項による証拠能力の制限は適用されない(刑訴350条の 12。ただし、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない)。


もっとも、略式手続と異なり、この手続の申立てがあった場合には、被疑者に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない(刑訴354条の4)。


即決裁判では、できる限り、即日判決の言渡しをしなければならないとされており (刑訴 350条の13)、また、即決裁判手続において懲役または禁鋼の言渡しをする場合には、その刑の執行猶予の言渡しをしなければならない(刑訴350条の14)。


また、即決裁判での判決に対しては、裁判所が認定した罪となるべき事実の誤認を理由とする上訴はできない。 被告人は弁護人の助言を得て即決裁判に同意したのであり、不服があれば、判決が言い渡されるまでに同意を撤回して通常の裁判を受けることもできたからである(最決2009 [平21] ·7· 14刑集63巻6号623頁は, この制限を憲法32 条に違反しないとしている)。


この手続では、地裁·簡裁をあわせて年間約5000 人程度が処理されている。


罪名別では、地裁で入管法違反と覚せい剤取締法

違反が比較的多く、簡裁では窃盗罪が圧倒的多数を占めている。


下記の本を参考にしました。


『はじめての法律学』HとJの物語

  松井 茂記 他2名

  有斐閣アルマ