とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

危険運転致死傷罪の問題点

こんにちは。冨樫純です。


危険運転致死傷罪」についてのコラムを紹介します。


問題があるにせよ、犯罪に規定することはその抑止力に多少は働いていると思いました。


2001年11月28日に、刑法 208 条の2に「危険運転致死傷罪」が設けられ、その後の改正を経て、今日では、アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させたよって、人を負傷させた者は 15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処することとなった。


また、その進行を制御することが困難な高速度等で、またはその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様に処罰され (208条の2第1項)、さらに、赤信号等の信号をことさらに無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も同様に処罰されることとされた(同条2項)。


そのため、酒に酔い、速度違反を犯し、赤信号を無視して自動車で人を負傷させた行為に対しては、この 「危険運転致死傷罪」が適用される可能性もある。


もっとも、自動車運転過失致死傷罪を含めて、自動車による故意のない結果犯を特別扱いする規定を一般的な傷害の罪ないし過失傷害の罪の中に設けることに対しては、モーターボートや艦船による重過失事件にはこのような重罰規定はなく、これらによる軽傷事件に刑の免除の余地がないというアンバランスを考えただけでも疑問の残るところである。


また、「危険運転致死傷罪」の施行後、ひき逃げ事件が倍増するという問題も起きている。

 

下記の本を参考にしました。


『はじめての法律学』HとJの物語

  松井 茂記 他2名

  有斐閣アルマ