とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

法律においては男女平等?

こんにちは。冨樫純です。 

 

「法律における男女平等」についてのコラムを紹介します。

 

男女差別は、確かに、法律でもあるようですが、生まれた時から始まっていると思いました。

戦前の日本においては、参政権·民事上の地位など法律上での男女の差別が見られたことは常識的である。

 

そのほかにも、家族法では、制度としての家に基づき、戸主(多くの場合男性)が大きな権限をもち、戸主の地位は家督相続され、当然男系長子·嫡出子(婚姻関係から出生した子)優先であった。

 

婚姻などの身分に関わる事柄についても、戸主の同意が必要とされていた。

 

また、刑法においても、姦通の扱いが妻と夫では異なり、妻の姦通に対して夫は告訴することができ、離婚原因となるだけではなく、懲役という刑事罰も可能であったのに対し、妻は夫の姦通を告訴することはできず、姦通相手に妻がいる場合を除き離婚原因にもならなかった。 

 

これらの法律上の明確な不平等の多くは、戦後の日本国憲法における法の下の平等(第14条)や両性の本質的平等(第24条)などに基づいて、改正され、解消されていった。

 

例外的に残っているのは、強姦の被害者を女性のみとしている規定などごくわずかである。

 

また、結婚可能年齢の差(男性 18 歳、女性 16 歳)や女性のみの6 カ月の再婚禁止期間などについても、1990年代の民法改正作業の中で検討の対象となった(改正案は廃案)。

 

現在、法律上問題となる男女不平等のケースの多くは間接差別といわれるものである。

 

間接差別とは、「外見上は中立的な規定、基準、慣行等が、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかも、その基準等が職務と関連性がない等、合理性、正当性がみとめられないもの」(厚生労働省「男女雇用機会均等政策研究会報告書』2001) である。

 

例えば、 募集要項に「男性のみ」 とするのが直接差別である。

 

それに対して間接差別となるのは、身長、体重のように一見すると性に中立的な条件でありながら、それをクリアできる女性の数が男性に比べて圧倒的に少ない場合、しかも職務の内容がそれらの条件と関連性をもたない場合である。

 

現在、わが国では、2007年の男女雇用機会均等法7条において、厚生労働省令に定める三つの場合 (募集 採用の際しての身長·体重など体力に関する要件、募集採用に際しての転勤要件、昇進手続に際しての異なる事業所での勤務経験の要件)について、間接差別として規制されている。

 

さらに、法を解釈·適応する場合のさまざまなモデルが男性の視点で形成されている場合や、性暴力などのように女性に男性より厳しい基準が適応されている場合(「性の二重基準」) のように、ジェンダーパイアスと評しうる状況もある。

 

これら、間接差別やジェンダーパイアスは、文言上明確な直接差別と異なり、その立証が難しく、是正も困難であることが多い。

 

しかし、少なくとも現在のところ、私たちの社会や制度、そして意識が、男女という性別に沿ったかたちで構成されている以上、それらの間での不平等やパイアスは、常に立ちふさがるものであり、継続的に取り組むべき重要な課題である。


下記の本を参考にしました

 

『現代政治理論』 新版
 川崎 修 他1名
 有斐閣アルマ