とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ヒトラーの意外な一面

こんにちは。冨樫純です。

 

ヒトラーのニ面性」についてのコラムを紹介します。

 

ヒトラーの意外な一面が見えて、おもしろかったです。

 

ヒトラーは、ユダヤ人を迫害しつつ強制収容所において大量殺裁をおこない、共産党自由主義勢力を抑圧し、言論や出版の自由をうばい、暴力組織 (親衛隊 )や世界恐慌で大衆の生活が困難に陥ったときにアウトバーンの建設など公共事業を実施して失業問題を解決した。

 

このようなことを実施したことで有名だが、別の一面があることを指摘しておきたい。

 

彼の「健康志向」 「清潔感」である。

 

彼は、ラフな格好で人前には決して出なかったし、日常生活のなかで、禁酒、禁煙を実践し、自室では決して部下に喫煙させなかった。

 

結婚もベルリン陥落直前に防空壕のなかでエヴァ·ブラウンと正式に結婚するまでは、表面的には「独身」 を貫いている。

 

あたかも「聖職者」のようである。

 

政権運営のなかでも国民に対して「健康的で清潔」な生活を熱心にすすめ、食品の安全基準やアスペストなどの有害物質対策を進め、子どもの教育でもヒトラーユーゲントをとおして、森などの自然のなかでの青少年の育成をめざした。

 

一方で、障害者を「安楽死」させる政策を実施した。

 

また、秘密警察(ゲシュタボ) を使って反対派を迫害するなど、一党独裁体制のもと画一的な全体主義国家をつくりあげ、近隣諸国への侵略を本格化して第二次世界大戦をひきおこした。

 

こんなヒトラーが率いるナチ党をドイツ国民は1932年の総選挙で第一党に躍進させ、33年にヒトラーは内閣を組織し、その後一党独裁体制を確立した。

 

ドイツ国民はなぜ支持したのだろうか。

 

資本主義を非難して新しい秩序の確立を叫び「改革」の必要性を大衆に訴えた、巧みな宣伝と大衆運動の組織化に成功した(たとえば、ニュルンベルク大会にみられる集会でのきわめて巧妙な演出など)、ヒトラーは演説がうまかった。

 

賠償問題などヴェルサイユ体制に対する強い不満があった、ドイツ国内に根強い反ユダヤ人感情を利用した、フォルクスワーゲン(国民車)を一家に1台所有させる約束をした(結局だれももらえなかった)、ヒトラーには「独裁、暴力、侵略」と、「健康、清潔」という矛盾する概念が共存する。

 

下記の本を参考にしました。
 
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
 山川出版社