こんにちは。冨樫純です。
心理学を学ぶメリットを4つ紹介します。
ちなみに、前々から学びたいと思っていました。
① ストレスは捉え方次第、と気づく
私たちが普段使っている「仕事が多くてストレスが溜まりいらいらする」といった表現。
心理学の世界ではこの場合、仕事が多いという状態を「ストレッサー」(ストレス要因)
ストレッサーが引き起こすいらいらなどの反応を「ストレス反応」と分けて呼びます。
心理学を考える上で、有名なのはLazarusという学者のストレスモデルです。
このストレスモデルをざっくりとご説明すると、ストレス反応が起こるメカニズムは、
ストレッサー→認知的評価→対処→ストレス反応(→疾患)という流れなのですね。
つまり、ストレッサー(ストレス反応を引き起こす要因)があればすぐにストレス反応に結びつくのではなく、間に「認知」、つまりものごとをどのように捉えるか、という判断が挟まります。
例を挙げてみましょう。
朝出勤して、上司に挨拶したら、完全に無視されたとします。(=ストレッサー)
「なんで無視するの?朝から気分悪い」
「あいつー!むかつく!キィー!!」(=ストレス反応)
しかし実は、そのストレッサー(ストレス要因)とストレス反応の間に
「挨拶を無視するのは悪いことだ、だめなやつだ」(=認知的評価)
というその人の認知的評価が挟まるため、気分が悪くなるのです。
ここで、立ち止まって、
「今朝出勤するまでに嫌なことがあったのかな」
「たまたま、虫の居所が悪かっただけかも」
「声が小さくて聞こえなかったのかもしれないな」
などという認知的評価をすれば、キィー!とならずに済むと思いませんか?
ストレスになる出来事って世の中にありふれていますが、実はストレスを感じる(ストレス反応になる)かどうかは、個人のものごとの捉え方次第なんです。
心理学を学ぶと、多様なストレスモデルを理解でき、捉え方次第でストレスになるかどうか決まるんだな、ということがわかります。
② 自分のストレス対処方法に気づく
ストレスのメカニズムを知ると、自分自身はどのようにストレスに対応しているだろうかと振り返ることができます。先程挙げたLazarusのモデルの「対処」の部分のお話です。私たちは意識せず、ストレッサーを体験、評価したあとに、「対処行動」を取っています。
例えば、先程の挨拶の例で言うと、「挨拶しないなんてだめなやつだ」と評価したとすると、仕返しとして冷たく接する(=対処行動)
あるいは、「声が小さかったかな」という評価をしたのであれば、上司に駆け寄って近くでもう一度大きな声で挨拶してみる(=対処行動)
というふうに、なにかしらの対処をしていると思います。後者のほうが、その後の人間関係はうまくいきそうですね。
ここまで理解していれば、自分が「ストレスを感じたとき、どのように対処してるかな」と振り返ってみることもできます。すると、対処行動はワンパターンだと気づきます。
ある程度、自分の得意な対処は決まっています。私の場合、「なかったことにしよう」と、否認してしまいがちです。
しかしここで大事なのは、対処のパターンを増やすこと。激しく変化している世の中ですから、ストレスのパターンも様々。
対処のパターンをたくさんそろえておくとよいですね。
どんな対処方法のパターンがあるか、というのは心理学を学ぶとある程度、分類分けできます。
自分の対処の傾向を知ってから、普段使わない対処も揃えておくと、うまくストレスに対処しやすくなるのです。
③ 相手のいやなところはその人の「特性」だという見方ができる。
心理学を学び始めると、パーソナリティ(個性、特性)について考え学ぶことが多くあります。
とりわけ、心理学の中でも臨床心理学において必ず学ぶカウンセラーの基本的な態度には、「無条件の肯定的関心」と「共感的理解」があります。
その基本的態度のうち「無条件の肯定的関心」とは、相手の言動や感情を無条件に、価値判断することなく受け入れること。
「共感的理解」とは、相手の言いたいことをそのまま受け取り、相手とその世界を理解すること
というような意味です。
つまり、クライエントの言動に対して良し悪しの判断をせず無条件に受け入れ、まるでクライエントの中に入り込んでいるかのようにその人の思いや考えを感じ、理解するのです。
そういう意味で、心理学はその人らしさをそのまま受け入れる、素晴らしい学問だと思います。これら基本的態度は、相手のいやなところの見方を変えるうえで有用なんです。
例えば、よく遅刻をする人。
普通に考えると、周囲の人には迷惑な話です。
しかし一方で、その人の遅刻を価値判断せず無条件に受け入れ、よく理解しようとすると、「もしかしたら、遅刻をするということは、見通しをもって行動することが苦手なのかもしれない」と考えられます。
それがその人の特性なのだろうと理解できます。
普段、自分の性格に合わない嫌な人だと思っている相手のいやなところは、心理学的に考えて「これがこの人の特性なんだろうな」という見方ができるのが、心理学を学ぶメリットの一つだと思います。
④ 自分の得意不得意がわかる
例えば、視覚的に図だけで説明されている説明書がありますが、それよりも、言葉でつらつらと書かれている説明書の方がわかりやすいと感じます。視覚情報より言語情報の方が得意のようですが、視覚情報が得意かあるいは言語情報が得意か、といった視点は心理学を学ぶまでは持ったことはありませんでした。
一方で、ものごとの処理スピードは遅い方で苦手です。
言葉で整理するのは得意なのですが、本を読むスピードは遅く、会話するときには、考えながら話すと頭でぐちゃぐちゃになり、話すスピードは必然的にゆっくりになって、そのうち自分で何を言っているのかわからなくなることがよくあります。
これは「なぜできないんだろう」と悩んでいましたが、心理学を学び、ものごとの処理スピードが遅いせいなのだ、とはっきりと理解できました。
心理学の視点をもって自分の内面を見つめると、自分の得意不得意がはっきりとしてきます。
下記のサイトを参考にしました