こんにちは。冨樫純です。
このシリーズは一応、最後です。
何年か前に、ハーバード白熱教室と題したテレビ番組がありました。
そこで、人気のサンデル教授の講義を見て、政治哲学というものに興味を持ちました。
ぼくと同じように興味を持った人は多いと思います。
今になって、体系的に政治哲学を学びたいと思い、まず、ネットで調べてみました。
今回のテーマは、「サンデル以降のコミュニタリアニズム」です。
ロールズのリベラリズムやリバタリアニズムの思想を批判し、コミュニタリアニズム(共同体主義)の思想を展開したのが、マイケル・サンデル(Michael Sandel)です。
ロールズ『正義論』が刊行された10年ほど後にサンデルがロールズを批判し、それから「リベラル・コミュニタリアン論争」と言われる論争が起こりました。
こうしたロールズ批判から、現代政治哲学は発展していったのです。
サンデルは、リベラリズムもリバタリアニズムも、ともに同じ思想を持っておりその点を批判しています。
サンデルが批判したのは、
①個人が自由に自分の「善(価値観)」を形成し、自由に行動できることが前提とされている人間観は正しくない
②「無知のヴェール」という仮想状態で人々が「正義の二原理」に合意できるとしているが、自分の持つ条件に無知だから選択できるというのは、現実的ではないという点です。
そもそも「善(the good)」「正(justice)」とはそれぞれ以下のような意味を持ちます。
善…特定の個人や社会で「善い」とされるもので、自分の人生をより善くしてくれるものや幸福にしてくれるもの、その価値観のこと。
正義…個人が持つ権利がしっかり保護され、争いになっても法のもとで正しく解決されること。「権利」に近い意味。
大雑把には、「善=個人の価値観」「正義=普遍的な権利」と捉えても良いです。
ロールズは「善」「正義」について、「善」は人それぞれで多様だから、「善」について国家が規定することはできない。そのため、国家は個人の持つ「善(価値観)」に対して中立的であるべき。
ただし、個人が自由に行動できるように、自由の権利を国家が保護するべき、と考えました。
下記のサイトを参考にしました。
https://liberal-arts-guide.com/political-philosophy/