こんばんは。冨樫純です。
何年か前に、ハーバード白熱教室と題したテレビ番組がありました。
そこで、人気のサンデル教授の講義を見て、政治哲学というものに興味を持ちました。
ぼくと同じように興味を持った人は多いと思います。
今になって、体系的に政治哲学を学びたいと思い、まず、ネットで調べてみました。
今回のテーマは、ロールズの「正義論」です。
ロールズが『正義論』で語ったことの中で、もっとも中心的な概念が「正義の2原理」です。
正義の2原理は、「より公正・平等な社会を実現するためには、社会のメンバーの間でどのような合意をする必要があるのか?」という問いに答えたものです。
正義の2原理
第1の原理(基本的自由の原理)…思想や言論、財産の所有などの基本的自由について、平等であること
第2の原理(平等の原理)…どうしても生じてしまう不平等は、以下の2つの条件が満たされる場合のみ認められる
格差原理…不平等は、その社会で最も貧しい人にとって最大の利益になるようなものである限り認められる
機会均等の原理…公正な機会の均等という条件のもとで、すべての人に開かれている職位、地位に付随するような不平等というものです。
第1原理は、古典的自由主義でも言われてきた、基本的な権利を平等に認めることが主張されています。
第2原理では、不平等が生じてしまうとしても、それは最も貧しい人のためになるようなものに限ることが認められる、と不平等の条件が決められているのです。
「でも、こんな条件どうやって合意するの?」「この条件にみんなが合意するとしたら、みんなの善意に頼らなければいけないのでは?」と思われるかもしれません。
この「正義の2原理」は、「どんな社会なら不平等が最小になるのか?」という問いに答えるために、仮想的な条件から考えられたものです。
ホッブス、ロック、ルソーなどが行った「社会契約説」と同じ思考実験をしたわけです。
また、このような合意を成立できる条件として、ロールズは「無知のヴェール」という想定をしました。
これは、「自分や他人が生まれ持つ、才能や環境についてまったく無知になるヴェール(顔にかける布)」のことです。
自分がどんな条件をもって人生をスタートさせるか分からないため、みんなが「自分が最も貧しい存在かもしれない」と考え、社会で最も貧しい人に有利になるように「正義の2原理」に合意する、という想定です。
ロールズの主張は哲学的なもので、「じゃあ実際の政治の実践としてどのようなことをするの?」という問いに直接答えるのは難しいです。
しかし、こうした抽象度の高い原理を導き出したことで、福祉国家・ニューリベラリズム的な政策を支える理論的な根拠を提供したと言われています。
下記のサイトを参考にしました。
https://liberal-arts-guide.com/political-philosophy/