とがブログ

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デュルケーム『自殺論』を読み返して

 

こんにちは。冨樫純です。

 

今回も、政治学社会学の古典的な本を読み返してみました。

 


デュルケーム『自殺論』です、

 


もちろん、訳してあるものです。

 


最初に読んだのは、学生時代だと思うのですが、今読み返してみると、理解できませんでした。たぶん、その当時も理解していなかったと思います。

 


そこで、要約してあるサイトを見つけて、読んでみました。

 


なぜ人間は自殺という行為にたどり着いてしまうのでしょうか。『自殺論』がヒントになりそうです。

 


『自殺論』とは、フランスの社会学エミール・デュルケームが、1897年出版した書籍で、この研究において自殺を個々の人間の心理から説明するのではなく、3つの社会的要因から説明しています。

 


デュルケームが主張する、自殺を引き起こす3つの社会的要因をまとめます。

 


1. 集団本位的自殺

2. 自己本位的自殺

3. アノミー的自殺

 


1. 集団本位的自殺

 


「集団本意的自殺」とは、個人の自由が極端に少なく、自分が所属する集団の価値観や規範に対して、服従しなければならない未開社会に見られる自殺です。

この社会では、献身や自己犠牲が強調される伝統的な道徳構造を持っており、老衰したり,名誉を傷つけられた者が自発的に死を選んだりします。

 


さらにその延長線上にある軍隊組織に見られる自殺・殉死などもこれに該当します。

(具体例:一般人よりも軍人のほうが自殺率が高い)

 

2. 自己本位的自殺

 


「自己本位的自殺」とは、過度の孤独感や焦燥感などにより個人が集団との結びつきが弱まることによって起こる自殺です。個人主義の拡大に伴って増大してきたものと言えます。

 


農村よりも都市、既婚者よりも未婚者の自殺率が高いなどと言ったように、個人の孤立を招きやすい環境において自殺率が高まりやすいです。

 


このタイプの自殺は、現代の日本社会に多いタイプです。そのため、日本社会では、つながりを感じることのできる新たなコミュニティの形成などが急がれています。

 

3. アノミー的自殺

 


アノミー的自殺」とは、社会的規則・規制がない状態において起こる自殺です。

 


集団・社会の規範が緩んで、より多くの自由が獲得されたことにより、膨れ上がる自分の欲望を果てしなく追求し続け、実現できないことに幻滅し虚無感を抱き自殺へ至ってしまいます。

 


つまり、規制がない状態では、自らの欲望に歯止めが効かなくなってしまい、自殺してしまうもので、不況期よりも好景気のほうが欲望が過度に膨張するので自殺率が高まる傾向にあります。

 


下記のサイトを参考にしました。

https://keny.jp/suicide/