こんばんは。冨樫純です。
昔から政治のニュースなどで、多数決制が採用されている理由を調べてみたいと思ったので、調べてみました。問題点もあるので、説明します。
多数決制の問題点を3つ説明します。
①少数意見を抑圧する恐れ
少数派の主張の妥当性を議論する場が形骸化するということです。
②衆愚政治に陥る恐れ
衆愚政治とは、多数の愚かな民衆によって行われる政治のことを指すが、愚かな民衆は自己の利益ばかりに執着したり、逆に互いに意見を譲り合ったりすることが多いため、結果的に政策の停滞が起こったり、課題の先延ばしが行われやすい。
また、民衆にとって都合のよいその場限りの政策を掲げる政治家が現れると、国家の将来を考えることをしない愚かな民衆はそうした者を積極的に支持しようとする。
場合によっては、政治家がこうした傾向を利用して、自己の利益になるように民衆を扇動する恐れもある。
③多数者の専制が起こる恐れ
利害関係が一致する複数名(あるいは複数政党)が協定を結ぶことが問題を生むといわれている。
彼らが協定によって多数派を構成すれば、少数派の主張を排除することができる。
また、多数派の中においても利害関係が一致する者同士が密約することで、同様の仕組みによって主導権を握ることができる。
こうしたことを繰り返すと、最終的には多数派内において最も大きな権力を持つ者の主張が通りやすくなる。
つまり、さまざまな主張に対する議論がないまま、権力者の思惑通りに議決される恐れは否定できないのである。
では、何故採用されているのか。
採用されている理由
市民革命以後、人権の平等性が保障された。
何人も一人の人間として認めなければならない以上、できるだけ多くの人の意思を尊重し、彼らの自由を導くような原理や議決方法が求められる。
しかし、それを全会一致で決めようとすると、人々の議論(主張)に優劣を付け、最も優れた一つを決めなければならないが、それは事実上不可能である。
よって、多数決によって議論に決着をつけようという政治的手法が求められるようになったのである。
つまり、最大多数の最大幸福を求める手段(より多くの民衆の幸せを求めること)として、多数決が採用されたのである。
下記の本を参考にしました。
『小論文の完全ネタ本』
キーワード集[社会科学系]編
神崎史彦著
文英堂