こんばんは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本との出会い
西部先生が亡くなって、先生の本を読んだことがあるのを思い出し、本棚から探して、読み返してみました。
②こんな本です。
『知識人の生態』
西部邁著
知識人はなぜ既成権力の批判しかしないのか?
知識人はなぜ大学やマスコミでの権威にかく
固執するのか?
知識人はなぜ己の発言の過ちにかくも無責任
でいられるのか?
感情を強く単純に刺激する言説にしか反応で
きなくなった大衆と手を携えて、虚無主義の大
海に落ちゆかんとする現代の知識人。
本書で著者は、自らが知識人であることの意味を絶えず自問しながら、現代社会の権力者たちの実
態に鋭く斬り込んでいく。出色の知識人論。
(本文より引用)
③こんな言葉が響きました。
インテリジェントという種類の知識人は社会的不適応症とでもいうべき性格をもっているよ
うに私には思われる。
それは知識人の世界における、おおよそ四半世紀余にわたる私自身の人生経験のなかでつくづく味わわされたことであるということを最初に確認しておきたい。
知識人が何故知識人になるのか。
具体的には何故職業としての知識人を、例えば学者を、評論家を、あるいはジャーナリストを選ぶのであるか。これは前2者の学者および評論家の場合にとくにいえることであるが、実社会と直接的にかかわることにたいするフォビア(恐怖症)が彼らをして大学なり家庭なりに閉じ込めるという事実が広範に観察される。
ここで「実社会」というのは、いうまでもないことだが、いわば世俗の利害関係が渦巻いて
いる社会のことである。そこでは言葉を中心とする表現がいつも不確実な、さらには決定困難
な状況に直面しており、それゆえ言葉が思惑どおりに展開される、あるいは表現が所期の成果
をあげるということは滅多に起こらない。
不確実性と不決定性に満ちた世界、それが実社会である。(本文より引用)
④この本が気になった方への3冊はこちら。
『虚無の構造』
西部邁著
中公文庫
『保守の真髄』
老酔狂で語る文明の紊乱
西部邁著
『保守の遺言』
西部邁著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。