とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

賃金の男女格差

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


入社希望の会社に勤めている大学OGからいろいろ話を聞いた後で、小声で「入社してもあまりがんばる必要はないから。どうせ男よりずっと給料が安いんだし」といわれました。


そんなことってあるんですか?


女だから仕事のできない男より給料が安いなんて絶対に納得できない。


解答


残念なことに大学OGのいっていることは本当です。


初任給のときには男女格差はさほどありませんが、勤続年数を重ねるごとにこれが拡大します。


女性の場合は、30代前半で頭打ちになり、後はいくら長く働いてもせいぜい男性社員の7割くらいまでしかもらえないのが実情です。


しかし、均等法が制定されるはるか以前から労働基準法 (労基法)は、「労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」 (同4条) と定めています。


同じ仕事をしている人には同じ賃金が支払われなければならないという当然の原則(同一労働同一賃金の原則)をとくに男女差別にかかわって宣言したものです。


賃金格差が女性差別にあたると認定された場合には、労基法違反の犯罪行為として刑事罰(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金) が科せられますし、それだけではなく、労働者は差別による格差分の賃金支払を損害賠償または差額請求権とし

て裁判所に請求することができます。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

 

 

残業命令は絶対か

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


先日、退社時刻まぎわに帰り支度をしていたら、課長から突然残業をするよう命じられました。


その日は楽しみにしていた5年ぶりのクラス会があるし、明日でもできる仕事だったので断ったら、「そんなことで総合職がつとまるか!」 とどなられました。

 

総合職だからといって、いつでも残業命令に従わなければならないのですか。


解答


とんでもない。


総合職だからといって残業命令にいつでも従う義務はありません。


残業命令は絶対ではありません。


労基法は、会社が労働者に対して残業や休日労働を命じるにあたって、業務の内容や残業時間数などの時間外労働の条件を定める労使協定を労働者の過半数代表 (その事業場の労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数によって選出された労働者代表) と締結して、労働基準監督署に届け出ることを義務づけています (同36条,俗に三六協定といいます)。


したがって、上司の残業命令に従う前にこうした

手続がきちんととられているのか、まず確かめる必要があります。


また、実際に時間外労働を行った場合には25% 増、月60時間を超える場合には50%増 (なお, 労使協定によりこの25%の引き上げ分に代えて有給の代替休暇を与えることが可能)、時間外労働が深夜業に及ぶ場合には50%増、休日労働については35%増の割増賃金を支払うことが必要です (同 37条, 割増賃金令)。


それでは、こうした労使協定が締結されている場合には、労働者は会社の残業命令にいつでも従わなければならないのでしょうか。


そうではありません。


これは、あくまでも法定労働時間(1日8時間,週 40時間)を超えて残業させたり、休日労働をさせても労基法違反とならないための条件にすぎませんから (三六協定の免罰的効力)、使用者が労働者に時間外労働動を命じるためにはそれとは別の

法的根拠が必要です。


それでは、使用者はどのような場合に労働者に残業を命じることができるのでしょうか。


この点については有名なケースがあります。


(日立製作所武蔵工場事件=D最高裁1991· 11·

28 判決)。


最高裁判所は、使用者が労使協定を締結し、かつ就業規則で「業務上の都合により残業を命じることができる」旨の規定を定めているときは、労働者は使用者の命令に従って時間外労働をする義務があるといっています。


しかし、このケースに従うと、通常の会社では、労使協定が締結されているのはむろんのこと、必ずといっていいほど就業規則にこのような残業義務規定が定められていますから、使用者は業務の都合によっていつでも労働者に残業を命じることができることになります。


これでは労働者は、ご主人様の命令に服従する奴隷と大差ありません。


そこで、最近では、使用者に残業命令権があるとしても、権利の濫用は許されないから (民法1条3項)、使用者側に残業を命令ずる業務上の必要性や緊急性がそれほどなく、労働者側に残業を拒否するやむをえない理由がある場合には、残業命令権の濫用としてその命令を無効(従う義務がない)と考えるのが一般的となっています。


したがって、あなたの場合のように5年ぶりのクラス会に出席するという特別の事情があることを知りながら、明日でもできるような仕事を押しつけて残業を命じることは権利の濫用にほかなりません。


そんなわからず屋の上司の命令に従う義務はまったくありません。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

育児休業と賃金保障

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


私は子どもを産んでも仕事を続けたい。


でも、赤ん坊のうちは自分で面倒を見たい。


なんとか子育てしながら働き続けることはでき

ないのかな。


解答

 

もともと労基法は働く女性の出産と子育てに関わる最低条件として、産前6週間(男女を問わない育児休業、多胎妊娠の場合には14週間)、産後8週間の産前産後休暇 (同 65条) と1日2回各々30分の育児時間(同67 条) を定めています。


しかし、これだけでは十分な育児時間を確保できません。


そこで、育児、介護休業法は、労働者に対して1歳未満の子(養子も含む) を養育するための休業を請求する権利を認めるとともに (同5条)、使用者に

対しては育児休業付与義務を課しました (同6条)。


また、 1歳までの育児休業が終了しても、その子を保育所に入所できないなどの特別の事情がある場合には、1歳6カ月まで引き続き育児休業を取得できることとしています (同5条3項, 同施行規則4条の 2)。


正社員でなく、パートなどの有期契約で働いている場合でも、雇用期間が1年以上で、養育する子が1歳になって以降も引き続き雇用されると見込まれる場合には、有児休業を請求することができます (同5条1項)。


労基法の産前産後休暇や育児時間と異なり、育児休業を請求できるのは男女を問いません。


したがって、たとえば妻の方が先に6カ月間の育児休業をとり、残りの期間について夫がとるなどして夫婦交代で育児に従事することができます (この場合, 休業可能期間は1歳2ヵ月まで延長されます。 同9条の2)。


労働者から1カ月以上前に育児休業の請求を受けたときには、使用者は原則としてこれを拒むことができません。


したがって、使用者がいろいろ口実をつけて育児休業を認めないときでも、育児休業期間として請求した日から自動的に労働義務が消滅します。


育児休業をとります!」と宣言して会社を休むことができるのです。


使用者は、休業の申出や育児休業をしたことを理由として労働者に対して解雇その他の不利益取扱いをしてはなりません (育児 介護休業法 10条)。


また、育児休業期間が終了して労働者が復職を求めたときには、使用者はもとの職場(原職かまたは原職相当務)に復帰させることが求められます(同22条)。


子どもの育児のために休業する権利はあくまでも労働者に与えられたひとつの選択肢です。


というのは、仕事から完全に離れたくないとして育児休業をとらなかったり、とったとしてもできる限りはやく職場に復帰したいと望む労働者もいるからです。


そこで育児·介護休業法は、3歳までの子を養育する労働者のために育児休業に代わる選択肢として次の4つの措置を実施するよう使用者に義務づけています (同16条の8.23 条, 同施行規則 34条)。

 

①当該労働者の1日の所定労働時間を原則として6時間とすることの短時間勤務制度


②始業·終業時刻につきー定の時間帯(フレキシブルタイム)を設けて労働者の自由な選択にまかせたり,始業 終業時刻を早めたり遅くしたりすることなどのフレックス·タイム制や時差出動制度


③労働者が請求した場合に所定外労働を免除すること


④企業内託児施設(保育所)を設置 運営したり、ベビーシッターの手配やその費用を負担することなどの託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与


ただし、このうちの②と④は、業務の性質等に照らして①の措置を講ずることが困難な業務に従事する労働者について、いずれかを実施すればよいとされています。


また、もう1つ忘れてはならないことは、小学校までの養育児·介護休業法が、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者についても、育児休業や労働動時間短縮等の措置を講ずるよう使用者に努力義務を課している点です (同 24条)。

 

したがって、使用者は育児休業制を導入すればそれで足りるわけでなく、幼児期の子を養育する労働者に対してもこうした追加的な措置をとることが要請されます。


小学校に入るまでの幼児は、突然熱を出したり、怪我をしたりすることがあります。


そこで、負傷し、疾病にかかった子の世話を行うために、小学校就学前の子を養育する労働者について、1人につき年5日 (2人以上は年10日)まで看護休暇をとることが認められています (同 16条

使用者は、仕事が忙しいからといって労働者からのこうした申し出を拒否することができませんし (同16条の3)、看護休暇の申出や取得したことを理由に解雇その他の不利益取扱いを行うことが

できません (同16条の4)。


育児休業制について最も問題となるのは、育児·介護休業法が育児休業期間中の賃金保障に関して何も定めていないことです。


しかし、それでは、労働者が実際に育児休業をとることが非常に困難となります。


そこで、こうした問題に対応するために、現在、次のような施策が講じられています。


その1つは、雇用保険上の育児休業中の所得を保障する育児休業給付制度です。


育児休業する前に支払われていた賃金の50%相当額が支給されます。


もう1つは、育児休業期間中の健康保険や厚生年金などの社会保険料の全額免除です(ただし、雇用保険については、賃金が無給の場合には保険料がゼロとなり、有給の場合には右支給額に一定の保険料率を乗じた金額を負担することになります)。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

 

 

 

 

 

セクハラとは

こんにちは。冨樫純です。


「セクシュアル·ハラスメント」についてのコラムを紹介します。


相手の受け取り方に左右されるのが、難しいところだと思いました。


もし不快に感じなければ、同じ言動でもセクハラに該当しなくなるので。


セクシュアルハラスメントとは、相手方の意に反して異性の体を触る、性的交渉を迫る、 卑猥な言葉を浴びせるなどの性的言動を行うことをいいます。


そのうち、性的要求を拒否したことを理由に解雇や配転などの職業上の不利益を加えるものを対価型のセクシュアル·ハラスメントといい、こうした性的言動を繰り返すなどして職場環境を害するものを環境型のセクシュアル·ハラスメントといいます。


セクシュアル·ハラスメントを直接禁止する法規定はありません。


しかし、その態様によっては強制わいせつなどの刑刊事犯罪に該当したり、民事法上の不法行為責任(損害賠償責任)が成立したりします。


特に後者の場合には、加害者本人はむろんのこと、これを放置した会社についても、働きやすい環境を保つよう配慮すべき注意義務を怠ったものとして損害賠償責任が問われることになります (福岡セクシュアル·ハラスメント事件=D福岡地裁 1992· 4. 16判決)。


従来、均等法は、使用者のセクシュアル·ハラスメント防止につき配慮義務を定めていました、2006年改正均等法は、使用者においてセクシュアル·ハラスメント防止の責務に対する認識が不足している傾向にあったことから、新たに雇用管理上の必要な措置を講ずることを義務づけることにしました (11条)。


また、均等法が性差別体止法として生まれ変わったことにともない、男性に対するセクシュアル·ハラスメントも禁止することとしました。


さらに、これまでセクシュアル·ハラスメントについては、調停などの紛争解決援助の対象とされていませんでしたが、その対象とするとともに、使用者がセクシュアル·ハラスメント防止の措置義務に違反して是正勧告を受けたにもかかわらずそれに従わなかった場合には、企業名を公表できるよ

うにしました。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

 

 

結婚と離婚と法律

こんにちは。冨樫純です。


「結婚と離婚」についてのコラムを紹介します。


結婚や離婚にも様々な見方や考え方があることを学びました。


「結婚」や「離婚」も時代や社会の違いを反映して、その制度や内実にいくつかの枝分かれがある。


おもなポイントを確認してみよう。


まず、結婚の分類として、配偶者の人数による区分がある。


相互にとって配偶者が1人であるという一夫一婦婚は「単婚」と呼ばれ、どちらかが複数である一夫多婦婚、多夫一婦婚などは「複婚」と呼ばれる。


論理的には多夫多婦婚がありうるわけだが、歴史資料的には存在が確認されていない。


現代社会において、離婚の一般化がみられるのだが、そうするとその時点ごとには一夫一婦婚なのに、一生を通じてみると複数の人と配偶関係をもつ人がいることになる。


これは単婚、複婚のどちらに位置づけるべきなのかという問題が発生することになり、単婚の相手が時間のなかで変化するということで、「系列単婚」 という概念化がなされている。


その配偶者はどの範囲の人から選ばれるのであろうか。


そこには、「外婚制」、 「内婚制」の双方が働くといわれる。


外婚制とは自分が所属する集団内での結婚を禁止または忌避する制度であり、その範囲の外の人との婚姻がすすめられることである。


普遍的には家族内での結婚や姦通を禁止する「インセストタブー」があるし、中国や韓国においては父系の同姓不婚の考え方の存在が指摘される。


他方、内婚制とはその集団内での結婚を要請する制度であり、一般的に同じ人種、宗教、階層内での婚姻が結ばれる傾向がある。


協定結婚(見合い結婚)から自由結婚(恋愛結婚)へという近代社会の大きな流れは、配偶者選択の幅を拡大したという側面もあるが、一方で、出会わない人とは結婚に至るはずもなく、自らの行動範囲・交友範囲のなかに選択が限定されるともいえるのである。


離婚についても、それを許容するかどうかの考え方をめぐって、「結婚非解消主義」と「結婚解消主義」の分かれがある。


前者はおもに宗教的な発想から、神が合わせた夫婦関係は生涯解消できないと考え、後者は婚姻は人為的なものだから解消も可能であると考える。


後者も2つに分かれる。1つは、婚姻解消に値する事態に対して夫婦どちらかに責任がある場合やむなしとするものであり、「有責主義」 と呼ばれる。


もちろん、離婚したいために配偶者の一方がそのような事態を意識的に引き起こす場合もありえ、有責主義では離婚は、その事態に責任のないほうからしか申し立てられないという「クリーンハンドの原則」が採用されることが多い。


有責主義に対し、婚姻継続という事象が実態的に崩壊しているという点にのみ焦点をあて、離婚を許容する考え方を「破綻主義」という。


他方で、そのような結婚制度がもたらすさまざまな不利益や拘束を遠ざけたいという考えから、婚姻届を出さずに法律上は同棲にとどまる 「事実婚」 という形式を選ぶ人たちも登場してきている。


また、婚姻が男性と女性というセクシュアルな関係に限られるものではないとして、男性同士や女性同士の同性カップルが認められるべきだという主張がなされたりもする。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

 

均等法の欠陥

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


均等法が強化されたといっても、罰則規定がないから性差別がなくならないのでは。


それに、差別されたときに「泣き寝入りをする

な」といわれても、裁判所に訴えるのはちょっとめんどうそう。


解答


確かに罰則規定のないことが、従来から均等法の欠陥の1っとして指摘されています。

 

また、募集·採用や配置昇進等に関する差別が禁止されているといっても、実際に裁判所に訴え出ることはなかなか難しい。


そこで、均等法は、法違反があったときにお金を

かけずにすばやく是正するために裁判所とは別の救済(紛争解決)制度を設けています。


その1つは、厚生労働省が全国都道府県に設置している労働局です。


そこの長である都道府県労働局長が、当事者の言い分をよく聴いたらえで均等法違反と判断した場合には、使用者に対して速やかに差別的取扱いを中止するよう助言指導·勧告を行います(17条)。


もうひとつは都道府県労働局の付属機関として設けられている紛争調整委員会(機会均等調停会議)です(18条以下)。

 

この委員会は、公平·中立な第三者(学者、弁護士などの学識経験者)を仲介とした労働者と使用者との話し合いによる円満解決の場を提供します。


労働者と使用者の双方からそれぞれの言い分を十分に聴き、歩み寄る余地がある場合には、両者が受け入れられるような調停案 (和解書)を作成して、それによる円満な解決をめざします。


この調停手続は紛争当事者の一方 (多くの場合は労働者)からの申請だけで開始されます。


また、労働者が都道府県労働局長に援助を求めたり、調停申請をしたことを理由として、使用者が解雇その他の不利益取扱をすることが禁止されています。


均等法には罰則規定がないけれども、企業名の公表制度が法違反の制裁措置として設けられています(30条)。


使用者が均等法違反について厚生労働大臣の勧告を受けたのに、それに従わなかったときには、企業名の公表という社会的制裁が課せられるわけです。


この制裁措置が発動された場合には、新聞等のマスコミで取り上げられることになりますから、企業にとっては大きなプレッシャーとなるでしょう。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ

 

 

私の権利を守ってもらうには

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


レストランでバイトをしていますが、もう2カ月も給料を払ってくれません。


経営者には支払義務があるはずなのに。


私の権利を守ってもらうにはどうしたらよいでしょうか?


解答


裁判所による解決とそれ以外の方法


紛争を解決するための方策はいろいろあります。


裁判というのはそのための1つの方法であり、この場合、国家は裁判所というしくみを通じて、法律にもとづき権利の存在や範囲を明確化し、そのうえで権利内容に沿った保護が得られるようにその実現に力を貸すのです。


裁判(訴訟)は、当事者間での自主的解決が不可能な場合に法律的に白黒の決着をつけるものですから、解決 (判決)までは一定の時間が必要であり、弁護士に依頼すれば費用もかかります (60万円以下の金銭の支払を求める場合に、原則1回の審理で即日判決が下される少額訴訟という制度も利用できますが)。


訴訟以外でも裁判所が関与する形での和解や、裁判所内の処理機関である調停委員会による調停という方法もあります。


一方、裁判所以外にも紛争解決のためのルートがあります。


たとえば、行政機関やその他の機関(たとえば、国民生活センター自治体の消費生活センター消費者庁、労政事務所、交通事故紛争処理センター、弁護士会の法律相談窓口など) が相談業務やあっせん(紛争当事者間の話合いの橋渡し)業務にあたっており、それを通じて当事者間の自主的な合意により紛争解決に至ることも少なくありません。


ですから、こうした機関を有効に利用することにより、早期に、またそれはどのコストをかけることなく、トラブルの解決ができる場合もあるでしょう。


2006年からは、国の機関として、法的なトラブル解決のための総合案内所ともいうべき 「法テラス」が全国に設置され、解決に役立つ法制度や関係機関の相談窓口についての情報提供業務や、無料法律相談業務(経済的余裕のない方に限る)などを行っています。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ